歯列矯正費用は分割できる?ローンで払える?高額費用を分割払いにして無理なく治療するために!
「歯列矯正にかかる費用がどうしても捻出できない」「一度でまとまったお金をすぐに払うのは困難」といったように、治療費の用意ができないために矯正治療を諦めてしまっている方は多いでしょう。
そのような方に対しては「諦める必要は一切ないですよ」と声を大にして言いたいです。なぜなら、医院によっては、治療総額を一度にまとめて先払いする必要はないからです。歯列矯正の支払い方法はいくつもあり、必要があれば、ローン会社によるローン払いや医院独自の分割払いのしくみも選べるからです。
私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、数多くの矯正治療を行っています。歯並びを治すことによって、きれいな歯並びを手に入れるだけでなく、顔立ちや口元の雰囲気まで改善できる場合があります。初回のカウンセリングで患者さんと接する際には、本心で話してもらえるように常に意識しています。どこが気になっているのかという話から始まり、なぜ矯正をしようと思ったのか、なぜ当院に来ようと思ったのか、矯正をしてどうなりたいのか、毎月の通院はストレスにならないのか、費用はどれくらいを考えているのか、それはどうやって支払いたいかということまで、本音の部分を話していただき、支払いのしやすさにも考慮した、患者さんに寄り添った治療を心がけています。
今回は高額の治療費を分割できる制度について考えてみましょう。
■目次
1.歯列矯正にかかる費用を解説
2.矯正の料金システム【トータルフィー・都度払い】
3.歯列矯正の支払い方法【5つ】
・全額一括払い
・処置別支払い
・デンタルローン
・クレジットカード分割払い
・院内分割払い
4.デンタルローンで治療を開始するまでの流れ
5.歯列矯正の支払い方法は「ローン」か「費用分割」どっちがいいの?
まとめ
歯列矯正にかかる費用を解説
歯の矯正治療をするにあたって、多くの人にとって頭を悩ます問題となるのが、治療費が高いことだと言えるでしょう。
歯列矯正治療を目的としてローンを組む患者さんも存在します。なぜそこまで高額になってしまうのでしょうか。
美容目的は医療保険が効かない
歯を矯正する行為は「見た目を美しくしたい美容目的のもの」と見なされている為、医療保険が適用されずに自由診療扱いとなるので、全額自己負担となってしまいます。
もちろん例外もあって、厚労省が認めている病気に当てはまる場合、先天的な噛み合わせの不具合を治療する場合は、保険が使えるケースとなります。
保険適用となると、かかった治療費の3割の自己負担で済む為、全額自腹で支払う場合と比較すると、その差は大きいものになるでしょう。
関連記事→ 歯列矯正は絶対保険適用外とは限らない!保険適用となる場合とその条件とは?
治療法別の料金について
歯列矯正とひとことで言っても、その手法にはいくつかの種類があります。まず、歯列全体を整える「全体矯正」と、歯の一部分だけに働きかける「部分矯正」があります。
その2通りの治療法に対し「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」という手法から、治療法を選ぶことになるでしょう。
それぞれの治療法によって、費用は変わってきます。
関連記事→ 歯列矯正の費用ってどのくらい掛かるの?種類によって異なる費用の相場観を紹介
部分矯正の費用
まず、歯列の一部分だけに力を加える部分矯正ですが、ワイヤー型で約20~85万円、マウスピース型で約45~75万円ほどの費用がかかります。
ワイヤー型で部分矯正を行える場合は、動かしたい歯だけに力が掛かるようブラケットを装着するので、全体矯正の場合と比べて装置を付ける歯の数が少なくなります。また、力の固定源となる「アンカースクリュー」を歯茎に装着しワイヤー矯正する場合もあります。
マウスピース型の場合、全体矯正か部分矯正かに関わらず、歯列全体を覆うような形状のマウスピースを使用するので、部分矯正の場合でも全体矯正に比べて見た目で大きな変化はありません。
全体矯正の費用
歯列全体に装置を取り付ける全体矯正の場合、唇側からのワイヤー型矯正で約85~100万円、舌側からのワイヤー型で約130~165万円、唇側と舌側をミックスしたもので約110~132万円となるでしょう。
唇側からのワイヤー矯正は最も古くからある治療法なので、医療技術としての実績が豊富なことから、治療結果が予想しやすくミスが起こりにくいです。
どうしても装置が目立つのを嫌う人は、舌側やミックスを選ぶと良いでしょう。
マウスピースを用いた全体矯正では約72~96万円の費用がかかります。
治療法別 料金表一覧(目安)
治療法 | 金額 |
---|---|
部分矯正(ワイヤー矯正) | ¥220,000~¥858,000 |
部分矯正(マウスピース型矯正装置) | ¥462,000~¥726,000 |
唇側からの矯正装置 | ¥858,000~¥990,000 |
マウスピース型矯正装置 | ¥726,000~¥957,000 |
舌側矯正 | ¥1,320,000~¥1,650,000 |
混合矯正(上顎前歯部のみ舌側等) | ¥1,100,000~¥1,320,000 |
これらの費用はクリニックによって多少異なってきますので、あくまでも参考程度に留めておいて、カウンセリングの場で確認することをお勧めします。
関連記事→ 歯列矯正の費用ってどのくらい掛かるの?種類によって異なる費用の相場観を紹介
矯正の料金システム【トータルフィー・都度払い】
歯列矯正の治療費を支払うにあたっては、一括払いの「トータルフィー」という方法と、費用を分割できる「都度払い」という方法に大きく分けることができます。
「トータルフィー」は治療に必要となる装置代、その調整費などを一括で支払う方法です。その為、通院時に費用が発生せず、一度の支払いで治療を完結できるでしょう。
それに対して何かしらの処置を受ける度に、その処置にかかる費用を支払っていくのが「都度払い」です。高額な費用を一度に用意できなくても治療を受けられます。
治療期間が想定より短く済んだ場合でも「トータルフィー」で支払ったお金は返ってきません。逆に治療が長引いた場合「都度払い」では支払い総額が膨れ上がることに注意しましょう。
歯列矯正の支払い方法【5つ】
高額なお金を必要とすることから、多くのクリニックでは多様な支払い方法を設定し、個々人の条件に合わせて無理のないやり繰りができるように配慮しています。
それこそ、必要となれば歯列矯正の為にローンを組むことも可能です。どのような支払い方法があるのか、それぞれのケースに分けて紹介しましょう。
さて、全額一括で支払う「トータルフィー」と、処置ごとに治療費を支払う「都度払い」があることは既に述べました。
それに加えて「カード分割」「デンタルローン」「院内分割」といった便利な支払い方法も存在しています。それらを細かく見ていきましょう。
全額一括払い
装置にかかる料金と通院時にかかる治療費、矯正が終了した後の保定期間に用いる装置代など、すべてを事前に一括で支払う方法です。
「そのような多額のお金は用意できない」と考えている方も多いかも知れませんが、この方法のメリットは、一度支払った後は金銭に関わることを気にせず治療を受けられる点に尽きます。
また、長所でもあり短所ともなり得るのが、当初予定していた通院回数が増えても支払う必要がない反面、予定よりも短い期間で治療が完了しても支払ったお金は戻ってきません。
処置別支払い
例えば装置を装着した日には、装置代とその取り付け費用を支払い、通院時に掛かる毎回の調整費をその都度支払うなど、処置を受ける度にその費用を支払う方法となります。
一度に大きなお金を用意できない患者さんにとっては大きなメリットと言うことができ、この方法ならば矯正治療を受けられるという方も多いのではないでしょうか。
逆に処置別にその都度支払っていくことのデメリットは、当初予定していた計画よりも長い期間に渡って治療が必要となると、そこで発生する費用も支払わなくてはなりません。
その結果、トータルで支払った金額が予想以上に膨れ上がるケースが考えられます。クリニックはカウンセリング時にどれくらいの金額が必要なのか算出してくれるので、それをしっかりと確認しておきましょう。
デンタルローン
歯の治療に特化してお金を借りる制度のことを「デンタルローン」と言います。まず、この制度を取り入れている信販会社が矯正にかかる治療費を立て替えてくれます。
そしてそのお金を月ごとに信販会社に返済していく形になるのです。金利が発生しますが、返済する金額を細かく分割できる為、無理をせず少しずつ返していくことができるでしょう。
ただし、この制度を利用する為には、当然のことながら信販会社の審査に通らなくてはなりません。返済能力があると認められた人だけが利用できることを覚えておきましょう。
クレジットカード分割払い
利用限度額を越えない範囲であれば、クレジットカードを使った分割払いにも、ほとんどのクリニックが対応してくれるでしょう。
ただし、自身の持っているクレジットカードをお世話になるクリニックが取り扱っているのかという点については確認が必要です。
院内分割払い
信販会社などを通さず、クリニックが独自に支払い制度を取り入れている場合もあります。
分割により一度に支払う金額を抑えることができる為、数回に分けて支払いたい患者さんにとっては助かる方法と言えるでしょう。
院内分割払いを取り入れているクリニックもあるので、詳細に関してはクリニックにお問合せしてみましょう。
デンタルローンで治療を開始するまでの流れ
「デンタルローン」とは歯の治療に特化したローンの制度であることは、既に述べました。クレジットカード分割払いと比べてかなり低利息になっているので、長期分割払いで歯列矯正をしたいと考えている人は一度検討してみるといいでしょう。
それでは「この制度を使って費用を分割して歯列矯正を受けたい」と考えた時に、どのような手続きを踏めば良いのでしょうか。その具体的な手順について解説しましょう。
取引のある金融機関などに申し込み
自身の口座があり、普段から利用している金融機関に申し込むと、口座を新たに作る必要もないので楽です。金融機関の公式サイトでデンタルローンの申し込みを行いましょう。
金融機関が設けているWeb上の専用フォーマットに必要事項を記入して、申請をしましょう。「事前審査」を経た金融機関からメール等で連絡が入るはずです。
スマホなどを用いて本人確認書類を返信すれば、作業は一旦終了し、金融機関からの返事を待つ状態になるでしょう。
審査
申し込みを受けた金融機関は、申請者に対してローン契約を結んで良いかどうかの審査に入ります。「安定した収入があり、継続的に返済できる能力がある人」などの条件をクリアしていることが大切です。
審査が完了すると、ローン契約を結べるかどうかの審査結果が電話及びメール等で申し込み者の元に届きます。晴れて契約が結べたならば、専用のカードが届きATMなどでお金を引き出せるようになります。
矯正治療開始
初診の後、精密検査や診断を経て初めて治療が開始することになりますが、費用の支払いが発生するのはこのタイミングが多いです。
デンタルローンの審査には日数がかかる場合があるので、お世話になるクリニックでいつ治療が始まるのか把握しておき、余裕を持ってローン申請を済ませておきましょう。
歯列矯正の支払い方法は「ローン」か「費用分割」どっちがいいの?
さて先の項では、治療費を小分けにして月々の支払いをしていく方法には、信販会社にお金を立て替えてもらい分割払いする方法、クレジットカードが標準サービスで用意している分割払いを利用したもの、クリニックが独自に設けている分割払いのシステム、があることを説明しました。
もう少し踏み込んで厳密に考えてみると、借りたお金を院内分割のシステムで直接クリニックに分割で返済することと、デンタルローンを用いてご自身でお金を借りたうえでクリニックに払うことと、クレジット分割払いでいったん信販会社から病院へ費用を一括で立て替え払いしてもらったあとにクレジット会社に分割金と利息を支払うことは、病院側への支払時期が少し違っていることに気付くことでしょう。
また、自由診療の歯列矯正でも診断名がつくような場合は医療費控除の適用を受けることができます。その点も踏まえて歯列矯正をする上でローンを組むことと費用分割のどちらを選べば良いのか考えてみましょう。
「クレジットカード分割払い」と「デンタルローン」の比較
クレジットカード分割払いとデンタルローンで迷っている人に対しては、分割数と利息の面でデンタルローンをおすすめします。
また、一般的にデンタルローンの利率はおよそ年4〜8%が相場となっています。それに比べてクレジットカード分割払いの利率はおよそ14〜18%と非常に高いものになっています。
クレジットカード分割払いでの支払いは手軽にできる反面、利息分の支払い額が大きくなることを覚えておきましょう。
また、クレジットカード分割払いのしくみを用いた場合、治療総額をクレジットカードを利用してクリニック窓口で総額を支払った日が「医療費を支払った日」とみなされます。その後クレジットカード会社に対して、分割金+利息を複数年にわたって支払ったとしても、複数年にわたり医療費控除を申請するのではなく、クリニックに対してクレジットカード払い一括決済をした年にしか医療費控除の申請ができませんので注意しておきましょう。
「デンタルローン」と「院内分割払い」の比較
デンタルローンと院内分割払いを利息で比較すると、利息の無い院内分割払いがおすすめです。しかし、なるべく多くの回数に分割したい場合にはデンタルローンを選択していただくことになると思います。
デンタルローンはローン会社からクリニックへの直接振込みに対応してくれる場合がありますが、院内分割は自身でクリニックへ支払う場合が多いです。
歯列矯正中はクリニックに訪れた際に支払うことができますが、早めに治療が終わった方は院内分割の場合に支払いの手間が発生するかもしれません。
お金が戻ってくる医療費控除とは?
確定申告をする際に、一年間にかかった医療費が10万円を越えた場合、その額に応じて納めた所得税や住民税の一部が返還される仕組みを「医療費控除」と言います。
美容目的では控除を受けることができませんが、治療目的ならば控除の対象となります。矯正にかかる金額は大きなものですから、この制度を利用すること税金を減らすことや還付を受けられる可能性があることを覚えておきましょう。
関連記事→ 歯列矯正で医療費控除は適用されるの?申請に必要な書類や注意すべき点とは?
まとめ
以上、歯列矯正をするにあたってのローンの必要性について解説するとともに、多様な支払い方法が用意されていることを紹介しました。
矯正にかかる治療費は、その症状によっては大変高額になるので、治療を受けたくても受けられない方はたくさんいます。
そのような場合でも信販会社が用意しているデンタルローンなどの制度を利用すれば、悩みの種であるお金の問題を解決できる為、治療へと踏み切ることができるでしょう。
当院では柔軟な料金体制を敷くことで、支払いに関して悩んでいる方の問題を解決し、矯正を受けられる環境を整えています。
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本記事では矯正治療における歯型取りに焦点を当て、必要性、気持ち悪さを感じる理由、気持ち悪さを緩和するコツについて解説していきます。最後に歯型取りの最新技術「3D口腔内スキャナー」にも触れますので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、歯型取りは歯科専門用語で「印象採得」といいますが、ここでは一般的で親しみやすい「歯型取り」で進めます。
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