矯正治療の歯型取りが気持ち悪い!理由と吐き気の対策を紹介【歯型を取らない方法も紹介】
矯正治療を受ける際に、多くの方が苦手意識をもつ歯型取り。「おえっ」となる感覚が嫌で、矯正治療を敬遠している方も多いのではないでしょうか。
本記事では矯正治療における歯型取りに焦点を当て、必要性、気持ち悪さを感じる理由、気持ち悪さを緩和するコツについて解説していきます。
最後に歯型取りの最新技術「3D口腔内スキャナー」にも触れますので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、歯型取りは歯科専門用語で「印象採得」といいますが、ここでは一般的で親しみやすい「歯型取り」で進めます。
矯正治療で必ず歯型を取る理由
矯正治療を進めるにあたり、主に以下の理由から必ず歯形を取らなければなりません。
(1)患者様の歯並びや嚙み合わせを様々な角度から観察するため
(2)矯正前後で歯がどれくらい動いたか(矯正できたか)を比較するため
(3)何度も来院する手間をなくし、患者様の拘束時間を減らすため
特に(1)に関しては、矯正治療を成功させるうえで必要不可欠です。歯並び・嚙み合わせの詳細なデータをもとに、どの歯をどこに移動させるか、などを様々な角度から検証したうえで治療計画を立て、
矯正用ブラケットを付ける位置を決めたり、マウスピースなどの矯正器具を作成したりします。口の中を目視するだけで正確な計画を立てることはとても困難です。
また(2)にある通り、矯正は治療前後を比較して、上手く進んでいるかを判断します。そのため、治療前の状態を模型化し、比較材料として使うことが重要です。
つまり矯正治療において、歯型取りは避けては通れない、非常に重要なプロセスなのです。
一般的な矯正治療の歯型作成の流れと使用材料
歯型取りを行った後の基本的な流れも知っておきましょう。一般的な矯正治療の歯型作成は、以下の流れで進みます。
STEP1:歯型を取る
STEP2:模型材(石膏)を型に流し込み固める
STEP3:石膏の歯列模型の完成
歯型を取る段階はおおむね初回と最後の2回が多いですが、状況や歯科医院によっては複数回型取りを行う場合もあります。
歯型取りに使用する材料は「アルジネート」と「シリコン」の2種で、それぞれ特徴があります。
アルジネート材は、海藻に含まれるアルギン酸が原料で、粉と水を混ぜて使用します。
比較的安価で、粘度によって固まる時間の調整が可能というメリットがありますが、配分を間違えると正確に歯形が取れません。担当医の技術に左右されるのがデメリットです。
シリコン材は、シリコンラバーが原料です。安定性が高く精密な歯型を取ることができる反面、アルジネート材よりも高価格となります。
使用する材料は歯科医院によって異なりますが、大まかな流れは同じです。
歯型取りは気持ち悪くなる人が多いって本当?
矯正治療だけでなく、歯型取りを行う際に気持ち悪いと感じる人は多く、原因は「身体的理由」と「精神的理由」があります。
精神的理由で気持ち悪くなる場合、過度な緊張状態やストレスによる過敏な反応が原因です。
普段の生活では「おえっ」となりづらい方でも、「気持ち悪くなるだろうか」と考えすぎてしまったり、院内の独特な雰囲気によって緊張してしまったりした場合、吐き気を伴います。
一方、身体的理由で気持ち悪くなる場合は、嘔吐反射が原因です。嘔吐反射とは、口内に異物が入ってきた際に、食道へ入ってこないように起こる反射的な防衛反応を指します。歯型取りの材料やトレイが上あごの奥や下に触れた際に、それを異物と体が反応し「おえっ」となります。気持ち悪くなる多くの原因がこの「嘔吐反射」であり、酷い方は歯磨きをするときにも起こりますが、不思議なことに、食事で嘔吐反射はおきません。
歯型取りで気持ち悪くなる人はどうすればいい?
嘔吐反射が強く歯形を取ることができない場合、矯正治療がスムーズに進まない、または正確な矯正治療ができない、という事態に陥ります。
嘔吐反射が原因で歯形取りが気持ち悪くなる方は、例えば以下の方法で対策をとりましょう。
・嘔吐反射が強いことを事前に伝える
・歯形取りの材料を硬めに練り時間を短縮する
・鼻呼吸をしながら顎を引く
それぞれ詳細に解説していきます。
嘔吐反射が強いことを事前に伝える
嘔吐反射が強いことを事前に担当医師やスタッフに伝えることで、緩和する方法をともに模索してもらえます。例えば、緊張緩和のためのカウンセリング実施、椅子の角度調整、麻酔使用の検討などは、あらかじめ伝えることで選択肢が生まれます。
「医院に迷惑だと思われるかもしれない」と考える方がいらっしゃいますが、そう思う医師は限りなく少数です。嘔吐反射への対応も慣れているので、気にせず伝えるようにしましょう。伝える際は、問診票に記入する、または歯形取りの前に直接伝えるなどがおすすめです。
歯形取りの材料を硬めに練り時間を短縮する
アルジネート材を使用する場合、水と粉の配分や練り方で硬さを調整し、歯形取りの時間を短縮させることができます。根本的な解決にはなりませんが、気持ち悪い時間が短くなることが分かれば精神的にリラックスできるかもしれません。
柔らかくしすぎると精密な歯型を取れないので、ある程度の硬度は必要ですが、精度に大きな影響が出ることはないです。安心して時間短縮を担当医にお願いしましょう。
鼻呼吸をしながら顎を引く
口呼吸は、口内の異物をより感じやすくなります。そのため歯形取りの最中は、鼻呼吸を意識しましょう。
この際、顎を引く姿勢にすると、喉が閉まり、材料が喉や舌で感じづらくなるのでおすすめです。
寝転がるよりも、椅子を起こした状態であれば、鼻呼吸がしやすくなり、かつ顎も十分に引けます。椅子の角度の調整を医師またはスタッフに伝えるようにしましょう。
矯正治療において歯型は必須!事前に対策を知り乗り越えよう
矯正治療において歯形取りは、成功させるために避けては通れません。できるだけ気持ち悪くならないよう事前に対策を知り、医師やスタッフとともに乗り越えましょう。
それでも「歯型取りがあるから矯正治療を受けたくない」と治療を避ける方は珍しくありません。そのような方にぴったりの、革新的な歯形取り技術があるのをご存知でしょうか。ここからは技術の進歩によって誕生した最先端の歯型取りの方法、3D口腔内スキャナーについて解説していきます。
【革新的な歯型取り技術】3D口腔内スキャナーとは?
現在多くの歯科医院が歯型取りに使用するのは「アルジネート材」であり、コストメリットの観点から今後もその潮流は続いていくと考えられます。そのため、歯型取りに伴う気持ち悪さを避けるのは難しいでしょう。
一方で、「歯型取りに材料を使用しない」という、気持ち悪さ問題を根本から解決することができる方法が注目されています。それが3D口腔内スキャナーです。
3D口腔内スキャナーとは、口内を撮影して高解像度の歯型の3Dデータを作成できる装置です。材料を使用せずに歯形を作成できる従来の手法とは全く異なる歯型取りの方法で、別名「光学印象」と呼ばれ、大きく分けて以下の3つの特徴があります。
・高い安全性
・時間の短縮
・精度/情報量の向上
それぞれ詳細に解説します。
高い安全性
ここでいう「安全性」とは、感染リスクと患者苦痛リスクです。
歯型取りの際、歯科医院は模型、咬合採得物、最終補綴装置などに対する感染予防対策は徹底していますが、そのリスクは0ではありません。また、これまで解説してきた通り、従来の歯型取りには気持ち悪さを根本から解決する手段はありません。
一方で3D口腔内スキャナーでは、口内に器具が触れる回数が少ないので、歯型取りに伴う感染リスクは大きく低下します。また従来の方法ほど口内に異物を入れる必要がないため、気持ち悪さを感じることもありません。材料を使用した歯型取りと比較して、高い安全性のもと矯正治療を進めることができます。
時間の短縮
従来の歯型取りでは、歯形を取るまでに片あごで3分~5分、両あごで6分~10分要します。一方、3D口腔内スキャナーは、約1分~3分で作業が完了し、作業時間を大幅に短縮可能です。
さらにスキャンした画像はその場で確認でき、歯がどう矯正されていくかのシミュレーションも閲覧できます。石膏の歯列模型の様に、固まるまで待つ必要がありません。
忙しい現代における時間の確保、精神的ストレスの回避という面において、3D口腔内スキャナーは優れているといえるでしょう。
精度/情報量の向上
材料を使用した歯型取りの場合、材料を練ったり石膏を流し固める作業は、人が行ってきたため、人的なミスが発生する可能性があります。また担当医の技術に大きく左右されていました。
3D口腔内スキャナーを使用すれば、人の技術に依存せず、画一的な高精度の歯型取りができます。また、スキャナーで取り込んだ画像は様々な角度から検証できるため、より多い情報量による正確な歯型取り・矯正治療が可能です。
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皆様のご来院、心よりお待ちしております。
ユニゾン矯正歯科 銀座6丁目
院長 島崎一夫