インビザラインの費用はいくらかかるのか?矯正前検査の重要性や費用を抑えるポイントを紹介
歯列矯正という言葉から、ワイヤー型矯正と呼ばれる矯正方法、つまり、金属製の目立つ装置を口内に付けている様子を連想する人も少なくないでしょう。
しかし現代において歯列矯正の方法はますます多様なものになっています。「インビザライン」と呼ばれる治療法もそのなかの一つです。
私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、インビザラインによる数多くのマウスピース矯正治療を行っています。
透明の樹脂製マウスピースを装着して矯正する手法なので、目立たないことや歯の手入れがしやすいことで人気を集めています。
今回はそんなインビザラインについて、費用の面から考えてみましょう。
インビザラインの費用について(全体矯正・部分矯正)
インビザラインが米国で生まれ、日本へとその治療法が伝わってきてから随分と時が経ちました。今では日本でも、この治療法のメリットを説くクリニックはたくさん存在しています。
古くからある治療法で最も施術の実績が多いワイヤー型矯正に比べても見劣りしない魅力があるからこそ、ここまでの広がりを見せているのでしょう。
またワイヤー型矯正において、歯列全体を矯正する「全体矯正」と、一部の箇所だけを矯正する「部分矯正」がありますが、インビザラインにおいても同様の矯正法が存在しています。
ここでは、インビザラインにおける全体矯正、部分矯正の費用や特徴を比較してみましょう。
インビザラインの全体矯正
奥歯までを含めた歯列全体を理想の歯並びに整える治療法です。歯列矯正は「美容目的」で受ける治療だとみなされている為に保険が効かず、すべてを自費で支払わなくてはなりません。
値段の設定もクリニックごとに違ってくるのですが、だいたいの相場というものは決まっています。その相場に比べて極端に高額だったり安価だったりする治療は受けないことをお勧めします。
さて、全体矯正のいわゆる「相場」というものがどの程度のものなのかと言うと、およそ70〜100万円程度になるでしょう。
歯を大きく動かす治療にも対応
歯列の乱れが激しい人のなかには、抜歯をして歯を動かすスペースを作り出し、全体の歯列を綺麗に整え直す治療法を採用するケースが少なくありません。
そのような大掛かりな治療においても、インビザラインでの治療が可能になってきています。ワイヤー型矯正と比べて実績の面では不足していますが、複雑な歯の移動にも対応できるものとして認識が広まっているでしょう。
インビザラインの部分矯正
部分矯正の「部分」というのがどの部位を指すのかというと、前から3番目までの歯、つまり前歯を動かす治療法と考えてもらうと良いでしょう。
奥歯を動かさない為、根本的に「出っ歯」や「受け口」といった症状を治療することは出来ない点には注意が必要です。費用の相場としては約30〜40万円程度と考えておきましょう。
提示した費用に幅があるのは、動かす歯の本数によるものと考えると良いです。上下6本ずつの歯のすべてを動かすのか、もしくは上側だけ、下側だけなのかによって治療費が変わってくるでしょう。
部分矯正でもマウスピースは奥歯まで覆う
インビザラインは透明のマウスピースを用いて矯正をしますが、部分矯正の場合においても歯列全体を覆うような形状をしています。その理由が何故なのか、不思議に感じている方もいるでしょう。
その答えはズバリ「奥歯の噛み合わせを現状のままでキープする為のもの」だと言えます。前歯だけを動かすとしても、動いてほしくない奥歯までマウスピースで覆うのはそのような理由があるのです。
治療期間が短くて済む
前歯だけを動かす為、治療期間をグンと短縮することが可能です。目安として治療期間を提示するならば、半年〜1年で矯正が完了するでしょう。
短い治療期間だけに、通院回数も減らすことが出来る点は多くの人に喜ばれるポイントではないでしょうか。多忙を極める社会人にとっても、スケジュールが組みやすくなるはずです。
インビザライン矯正全体にかかる費用の内訳
「マウスピースを用いた最新の治療法」という治療法の打ち出し方により、そのイメージが固まっているかも知れませんが、インビザラインにかかる費用はマウスピースだけではありません。
歯列矯正には必ず必要となる通院ですが、その時に掛かってくる出費があるなど、細かく挙げていくと様々な金額を必要とすることに気付いてもらえるでしょう。
ここではインビザラインを用いた治療にかかる出費を、その内訳ごとに分けて解説してみます。
調整料
一般的な矯正治療では月に1度の通院が目安となりますが、インビザラインでは通院の間隔を長くすることが出来る為、その分だけ通院に掛かる費用を節約できます。
通院して何をするかと言いますと、歯の動きを確認して、それに合わせた微調整を行う場となります。ここで掛かってくる金額は、およそ5千円〜1万円程度になると覚えておきましょう。
検査料
歯列の状態というのは患者さん一人ひとりで異なってきます。その為、どのような口内になっているのかを把握するべく、治療を開始する前に検査を行うことになるでしょう。
前方および側方からのレントゲン撮影を行うことで顎の骨格を把握したり、歯型を採ることで歯列の状態を調べたり、口腔内の撮影でより詳しく口内の状態を知る作業を要します。
これらを総じて「検査料」と呼びますが、相場としては2〜5万円程度の費用が掛かることを覚えておきましょう。
保定装置
矯正治療というのは、歯並びを理想的な位置に持っていくだけでは終わりません。何故ならば、治療を終えた後に、歯並びが元の乱れた状態に戻ってしまう「後戻り」という症状を起こす可能性がある為です。
この後戻りを防ぐ為に、「保定期間」と呼ばれる、歯を理想的な状態でキープする為の処置が待ち構えています。具体的には「リテーナー」と呼ばれる器具を装着することで、歯列を固定するのです。
この保定期間における装置にも料金が掛かってくるでしょう。相場としては2〜5万円程度と考えておくと良いです。
抜歯
歯を大きく動かす必要があるケースにおいて、そのスペースを生み出す為に抜歯を必要する場合があります。その際は、お世話になっている矯正歯科から口腔外科の先生を紹介されることがあるでしょう。
つまり、抜歯にも別途費用が掛かってくるのです。矯正を目的とした抜歯には保険が効かないので、5千円〜1万円の出費を要することを覚えておきましょう。
インビザライン費用を抑えるためのポイント
高いものでは100万円超えもするインビザラインでの治療ですので、その費用を少しでも抑えたいと考える人がいても少しの疑問もありません。「そんなお金、どこから捻出すれば…」とお悩みの方もいるでしょう。
この項では「高額な医療費でも治療を受けたい」「少しでも治療費を安くする為の工夫がしたい」と考えている人の為に、どのような点に注意すべきか提示してみましょう。
医療費控除
確定申告を行う際に「医療費控除」と呼ばれる名目が存在することをご存知でしょうか。これは1月1日から、同じ年の12月31日までの間に掛かった医療費が10万円を超えた時に、治療費の一部が返ってくる制度です。
インビザラインは基本的に保険が適用されませんが「美容目的」ではなく「噛み合わせの機能」を回復する為の治療とみなされた時には、医療費控除によって還付金が返ってくるでしょう。
自身の症状がそれに当てはまるかを、お世話になっている歯科医に相談してみることをお勧めします。その際、治療費だけでなく通院にかかった交通費なども加算できるので、領収書を取っておくと良いでしょう。
分割払い
先にも述べたように、インビザラインでの歯列矯正は基本的に自由診療の扱いとなります。その為、医療費は全額自己負担となり、その金額は高額なものとなるでしょう。
それを一括で支払うことが出来るほどの余裕がある人は、それほど多くありません。そこで活用したいのが「デンタルローン」と呼ばれる分割払いのシステムです。
これは「歯科治療費」に特化したローンのことで、治療費を立て替えてくれる会社があるのです。患者さんは、その会社に対して掛かった治療費と手数料を分割で返していくことになるでしょう。
利用限度額が高いことがデンタルローンの特徴なので、まさに歯列矯正にもってこいの制度と言えるでしょう。
関連記事→ 歯列矯正はローンで払える?高額費用を分割して無理なく治療するために!
通いやすい医院選び
全体矯正ともなると、治療期間は大変長いものになってしまいます。その間の通院で支払う調整料は、トータルすると大きく膨れ上がるものです。
その費用を安く抑える為には、決められた通院日にしっかりとクリニックへ訪ねることが大切になってくるでしょう。そのような基本的な決まり事を守ることが、治療を最短で終わらせるコツとなるからです。
その為、自身にとって通いやすいクリニックを選ぶことが大切になってくるでしょう。
マウスピースの装着時間を守る
インビザラインを用いた治療は、食事や歯磨きの際には取り外しが出来るので、歯の管理がしやすい点がメリットとして挙げられます。
しかし、1日の装着時間が決められているのに、それを守らずにズボラな毎日を過ごしていると、望んだような治療結果が得られません。その結果、治療期間が伸びてしまうことに。
そのことからこの手法を用いての歯列矯正は、患者さんの努力に掛かってくる部分が大きい治療法とも言えるでしょう。医師の指示をしっかりと守ることが、結果として費用を抑えることに繋がるのです。
ユニゾン矯正歯科銀座6丁目なら「インビザライン矯正治療」について相談可能!
歯科矯正の治療方法には、表側矯正、裏側矯正、舌側矯正、マウスピース矯正など様々な方法がありますが、これまでも現在も、矯正治療の初回相談にお越しになる患者さんからは、マウスピース矯正や裏側矯正などの目立たない矯正治療の方法を望む声が多いのは事実です。
私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、数々の治療法の経験がありますが、インビザライン社のマウスピース矯正治療は、患者さんご自身が所定の装着時間を守ることができるのであれば、アタッチメントという接着物の効果を活用して、ワイヤー矯正と遜色なく、効率的に歯を動かすことができます。しかも、ワイヤー矯正装置に比べてほとんど目立たないこと、着脱できることが非常に大きなメリットです。
マウスピース矯正が適用できる症例の場合は、インビザライン社のマウスピース矯正を治療法のひとつとして前向きに提案しています。
歯並びを治すことによって、笑顔が綺麗になるばかりではなく、歯磨きがしやすくなり、滑舌やかみ合わせがよくなり、さらに口元の雰囲気や顔立ちまで改善できる場合があります。
自分に自信を持つことができるようになることが多いです。
インビザライン社のマウスピース歯列矯正によって口元の雰囲気や歯並びをどのように改善できるのか、期間や費用を含めて知ることから始めませんか。
ユニゾン矯正歯科では、丁寧なカウンセリングを行ったうえで説明いたします。
まとめ
以上、インビザラインに必要とされる費用とその内訳について紹介し、医療費を抑える為に自身で出来ることについて解説しました。
「美容目的」に分類される治療なので自由診療の扱いとなり、保険が効かないことが大きなネックになっているのは確かなことでしょう。
しかし、デンタルローンなどの活用で費用を分割できることから、無理のない返済によって治療を受けられることも可能です。「歯列を整えたいけどお金がない」とお悩みの方は、ぜひ一度、歯科医院の支払い方法を確認してみてください。
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なお、歯型取りは歯科専門用語で「印象採得」といいますが、ここでは一般的で親しみやすい「歯型取り」で進めます。