歯列矯正で面長が治る?出っ歯や受け口の治療による面長の印象の変化について
みなさんはどういった顔立ちの人を「美人」だと感じますか。このように問いかけるのは、美しいと感じる感覚も時代とともに変化することを知ってほしいからです。
江戸時代の浮世絵の様に、ある時代までは面長の女性は美人だと捉えられていました。しかし現代の「美人」と呼ばれるトレンドは、小さくて丸顔をした女性へと移行しています。
そのため、面長であることに悩みを抱えている人も多いのですが、実は歯列矯正によって口元の雰囲気や横顔のプロポーションがよくなり、面長に見えなくなる場合があるのです。
私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、数多くの矯正治療を行っています。歯並びを治すことによって、きれいな歯並びを手に入れるだけでなく、顔立ちや口元の雰囲気まで改善できる場合があります。もちろん、歯列矯正では、ご自身の顔の骨そのものの形や高さを変えることはありません。しかし、歯列矯正によって、飛び出した口元が自然な位置までひっこみ、口元と鼻の位置関係のバランスが改善することで、横顔のイメージがとてもきれいに変わることはあります。
今回は面長が歯列矯正で治る可能性について考えてみましょう。
顔が長い印象を与える「面長」の特徴
「美容整形や歯列矯正などの手段で面長が治るならば試したい」と考えている人は多いでしょう。
面長とはどういった状態でしょうか。これは顔の横幅に対して縦幅が長すぎるために、バランスが崩れて見えていることを意味します。
面長の印象を与える原因について、代表的なものをピックアップして紹介しましょう。
おでこが広い
顔が細長くて面長に感じてしまうのは、顔に占めるおでこの面積が広いことが原因になっているケースが考えられます。
骨格の問題で考えるならば、おでこが張り出している人はその部位が強調されて「おでこが広い」という印象を与えてしまいます。また、おでこが縦に広いことで面長な印象になるでしょう。
骨格の問題以外にも、髪の毛の生え際が後退している場合が考えられます。年齢が上がるにつれておでこの広さが気になる方もいます。
人中が長い
鼻の下から唇にかけて縦に2本のスジが通っていますが、この部位を「人中(じんちゅう)」と呼びます。人中が長いと、顔の下半分が間伸びしたような印象を与えてしまうでしょう。
加齢とともに人中が伸びてしまう原因は、重力の影響や、皮膚の伸びやたるみが影響しています。加齢によるものではなく骨格に問題がある場合もあります。
顎先が長い
顎先が長いことも面長に見える要因の一つです。下顎が発達して受け口になるなど、骨格の問題として下顎が強調されてしまうケースが考えられるでしょう。
また、加齢とともに頬のあたりの組織にたるみが生じ、重力によって下がってしまいます。
顎下にたるみがとどまることになり、顔立ちが長方形に近づいた状態になることも。結果として、面長な印象を与えてしまうパターンが考えられます。
面長が治る可能性がある歯列矯正とは
一見したところ、顔の長さと歯列矯正は無関係なように感じるかもしれません。しかし、歯列を正しい状態にしてあげることで、面長に見えなくなる場合があるのです。
逆を言えば、歯並びが乱れているために面長な顔立ちの印象を与えてしまっている場合があるのです。そういった場合、歯列矯正によって口元を変化させることで印象を変えられる可能性があります。
出っ歯やガミースマイルの矯正
上顎の歯列が前へと突き出ている状態を「出っ歯」と言います。この症状を持つ人のなかには、笑った時に上顎側の歯茎が剥き出しになって目立つ「ガミースマイル」を併発していることも。
このガミースマイルは、歯茎が縦に長いことが要因の一つになっています。そのため、縦長の状態にある歯茎を覆っている人中も伸びてしまい、面長な印象になってしまうのです。
出っ歯に対しては、前突した歯列を矯正で後退させることが可能です。またガミースマイルは骨格の問題と上唇の筋力の問題、さらには歯茎と歯のサイズのバランスといった問題に原因が切り分けられます。
そのなかで、面長な顔立ちになるガミースマイルというのは、先に挙げた出っ歯などの歯列の問題の他に、骨格が原因の場合も多いでしょう。骨格の問題が強い場合は、上顎の骨を部分的に切除して長さを詰める外科手術を要します。
受け口の矯正
上顎に対して下顎の方がより発達し、下顎が突き出た状態を一般的に「受け口」と言われます。上下の歯を噛み合わせた時に、下顎の前歯の方が上顎の前歯より前方に来る場合は「反対咬合」と言います。
この症状の原因が歯列の問題である場合は、下顎の歯列が前方へと突き出ています。この場合、歯列矯正で下顎の歯を奥へと引っ込めることにより、前歯の反対咬合を改善することが可能です。
しかしながら、骨格に原因がある場合は、外科手術をすることになります。総じて、下顎が引っ込むことで「顎が長い」という印象がなくなり、面長が治るのです。
歯列矯正で顔のバランスを整えるために
歯列矯正は骨格自体を変えることが出来なくても、顔立ちの印象を変えることが可能です。
矯正する際、顔を正面から捉えるだけでなく横顔のバランスも大切です。顔を真横から見て、鼻と下顎の先端どうしを直線で結んだ線を「Eライン」と呼び、この線上およびやや内側に唇が収まることが理想とされています。しかしながら、これは1954年にRickettsが提唱した鼻の高い欧米人の評価法であり、日本人は欧米人と比べ鼻が低いため上下口唇がともにほぼこのライン上、あるいはやや前突していても美しい口元と言えますので、この点は注意が必要です。
自身が考える理想的な顔立ちを実現するためには、腕の立つ矯正歯科医を探し出す必要があるでしょう。その技術力をある程度参考になるものとして「日本矯正歯科学会」には「認定医」と呼ばれる資格があります。
この資格は、長年に渡って難しい治療をこなしてきた実績を持つ医師にしか与えられません。クリニック選びで迷った時には、認定医の資格を参考に探しましょう。
ユニゾン矯正歯科銀座6丁目なら「横顔のバランスと歯列矯正の効果」について相談可能!
このように、歯並びを治すことによって、顔立ちや横顔の雰囲気まで改善できる場合があります。飛び出した口元を治すことで、顔立ちがきれいになるだけでなく、相対的に鼻が高く見え、面長の雰囲気が改善する可能性もあります。
一方、面長と歯並びを根本的に治すために、矯正治療だけではなく、外科手術が必要な症例もあります。
歯列矯正によって口元の雰囲気や横顔のプロポーションを改善できるのかどうか、知ることから始めませんか。
ユニゾン矯正歯科では、丁寧なカウンセリングを行ったうえで説明いたします。
横顔における上顎・下顎の位置関係や歯の傾きなどを確認し、同じ年代・性別の方々と比較してご自身のどこに問題点があるのかを説明いたします。外科手術が必要な症例なのか、それとも外科手術をしなくても、歯列矯正だけで改善可能なのかどうか、を説明いたします。
まとめ
以上、面長の特徴と歯列矯正で治る可能性があるパターンについて解説した上で、顔のバランスを整えるために押さえておくべきポイントを紹介しました。
歯列矯正は顔立ちの変化が期待できる治療法であることが分かってもらえたかと思います。それだけに、自身の追い求める美しさを叶えてくれる医院を選ぶ努力が必要になり、初回のカウンセリングで医師と十分に意見を交換できることが大切です。
当院では認定医の資格を持つ医師が、患者さんの考える美しさを実現するために日々の業務に励んでいます。悩み事のある方は、ぜひ一度お越しください。
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