部分矯正は全体矯正よりも簡単で低価格?矯正の専門医が両者を比較します

部分矯正は全体矯正よりも簡単で低価格?矯正の専門医が両者を比較します

部分矯正とは

一般的に矯正治療においては、歯の全体を動かして治療する全体矯正が採用されます。

対して、部分矯正とは、特定の歯や特定の歯列といったように、部分的に歯を動かす治療法のことを指します。状況にもよりますが、2本~3本ほどの歯を動かす場合が多いです。

部分矯正では、ワイヤー、マウスピース、インプラントなどを使用します。歯列全体を矯正する必要がないため、気になる部分だけを治療したい方に選択しやすい治療方法といえるでしょう。

例えば、「歯並び全体や嚙み合わせは問題ないが、特定の歯が一本だけずれている」という場合に、希望される方が多いです。

部分矯正のメリット・デメリット

部分矯正のメリットは以下の通りです。

・費用が安くなりやすい

・期間が短くなりやすい

部分矯正は歯列全体ではなく、一部分のみを治療すれば良いため、費用が安くなる傾向にあります。また、スムーズに治療が進めば、数ヶ月で治療が完成しやすいです。

一方で、部分矯正のデメリットは以下の通りです。

・嚙み合わせの調整ができない

・必ずしも部分矯正ができるとは限らない

部分矯正は一部分のみを治療する矯正方法であるため、嚙み合わせの調整は不可能です。また、逆にその歯の位置を変えたせいで嚙み合わせが変化してしまう可能性もあります。

つまり、嚙み合わせに問題がある場合、見た目を整えるだけになるので、根本的な解決に繋がりません。また、詳細は後述しますが、部分矯正は治療できないケースもあります。

※部分矯正のメリット・デメリットの詳細は『下の歯だけ矯正することは可能?部分矯正の特徴やメリット・デメリットについて』で解説しています。合わせてご確認ください。

→ https://ginza-unison.com/blog/blog98.html

部分矯正と全体矯正の比較

ここからは、以下の5項目で部分矯正と全体矯正の比較をしていきます。

・期間

・費用

・抜歯の有無

・治療できないケース

・リスク

 

それぞれ詳細に見ていきましょう。

【期間】全体矯正よりも部分矯正は短い期間で治療が終わる?

歯の全体を矯正しなければならない全体矯正よりも、治療しない歯が多い部分矯正は短い期間で治療が終わる傾向にあります。全体矯正は約12年かかるのに対して、部分矯正は数ヶ月程度で終わるのが一般的で、その差は大きいです。

したがって、「期間」という観点では、部分矯正は全体矯正よりも負担は減るでしょう。しかし、期間が短くなるのは、他に治した方がよい歯があるにもかかわらず、その箇所は治療せずに部分矯正を選択していることが多いからです。期間は短くなりますが、全体的な歯の治療への貢献度は低いと言わざるを得ません。多くの場合で、期間を優先し、治療の完成度を低くしてしまっているということになります。

【費用】全体矯正よりも部分矯正は費用が安い?

全体矯正よりも、部分矯正は費用が安くなる傾向にあります。全体矯正は70100万円かかるのに対して、部分矯正は2080万円が相場です。

ここで注意が必要なのが、部分矯正の費用相場には幅があることです。どの部分を治療するのか、何本を対象に治療するのか、どの治療法を採用するのか、などによって費用は増減するため、一概に「部分矯正の方が安い」とはいえません。依頼する歯科医院によっても費用は変わるでしょう。

また、「やはり嚙み合わせも整えたい」といったように、後から治療を追加する場合には、結果的に全体矯正よりも費用がかかることは珍しくありません。

したがって、「費用」という観点では、部分矯正は全体矯正よりも安くなりやすいが、大きく負担が変わるわけではなく、むしろ高くなる場合もある、というのが正しいでしょう。

【抜歯の有無】全体矯正と違い部分矯正は抜歯の必要がない?

部分矯正だからといって、抜歯が不要であるとは限りません。むしろ、矯正対象の歯を動かす際に抜歯をした方がよいと医師が判断した場合には、治療計画の段階で提案されるケースが多いです。

また、抜歯が不要でも、歯を動かすスペースをつくるために歯を削ることもあります。

したがって、「抜歯」という観点では、部分矯正だから不要だという認識は持たない方がよいでしょう。ただし、全体矯正と比較すると、部分矯正は抜歯が必要となるケースは少ない傾向にあります。

【治療できないケースの有無】全体矯正と違い部分矯正は治療できないケースがない?

全体矯正には治療ができないケースがあります。一方で、部分矯正は治療できないケースがない、というわけではありません。例えば、以下のケースは、部分矯正ができないよくある症例です。

・前歯や八重歯を並べるスペースが足りないケース

・出っ歯を引っ込めたいケース

・前歯が閉じない歯並びのケース

・正中が合わずに左右非対称であるケース

「数本だけを動かして簡単に矯正したい」としても、条件をクリアしなければ部分矯正は選択することができません。

(※部分矯正の治療できないケースについては『部分矯正ができない例とは?判断基準について矯正歯科の認定医が解説!』で詳細に解説しています。合わせてご確認ください。) →  https://ginza-unison.com/blog/blog100.html

一方で、部分矯正の治療ができるおすすめの状態は以下の通りです。

・嚙み合わせに問題がない

・八重歯や前歯のスペースが数mm以内

・軽度の不正咬合

部分矯正では嚙み合わせの調整ができないため、前提として嚙み合わせが良いことが求められます。

したがって、「治療ができないケース」という観点では、全体矯正にも部分矯正にも、等しく適さない症例があるため、どちらが有利というわけではありません。「部分矯正なら問題なく治療してもらえるだろう」という認識を持つことは、治療できないと分かった場合に落胆してしまうため避けた方が良いでしょう。

【リスク】全体矯正よりも部分矯正はリスクが低い?

全体矯正よりも部分矯正の方がリスクが低くなるというわけではありません。たしかに、全体矯正は歯全体が治療の対象なので、入念な治療計画と施術が求められます。

一方で、部分矯正でも、治療可否の判断が高度なことや、動かしたくない歯も動いてしまうことから、治療計画はとても重要です。実績が豊富な矯正専門歯科医への相談や、適切な施術も欠かせません。さらに「部分矯正ではなく全体矯正の方が適しているのではないか」という判断も治療計画の中で必要となるため、部分矯正でもリスクは伴います。

したがって、「リスク」という観点では、部分矯正も全体矯正と同様にあるといえます。矯正専門歯科医への相談・治療計画・施術を入念に進めていかなければ、リスクは高くなり、失敗に繋がる可能性が高くなるでしょう。

 

【結論】部分矯正は全体矯正と同様に適切な相談・治療が必要

部分矯正であれば、安く、負担が軽く、楽に治療できるだろうという認識を持ったうえで、部分矯正の相談をいただくケースは非常に多いです。はたして、それは事実なのでしょうか。ここまでの部分矯正と全体矯正の比較をもとに、冒頭で挙げた「部分矯正は比較的楽に治療できるのか?」についての結論を出します。

結論、部分矯正だからといって、全体矯正よりも低価格で、リスクが低く、楽に治療をできるわけではありません。むしろ、治療すべき歯があるにもかかわらず、その部分を放置したまま治療を進める部分矯正の方が、中長期的には費用が高くなる可能性や、嚙み合わせのリスクが高くなる場合があるでしょう。

とはいえ、部分矯正の方が適している場合も少なからず存在します。そのため、「とりあえず部分矯正で」と先入観を持って歯科医院に相談するのではなく、「適するのであれば部分矯正を希望するが、入念な治療計画は大前提。場合によっては全体矯正の可能性もある」ということを事前に理解したうえで、歯科医院に相談することをおすすめします。

そして、結果的に部分矯正を選択し、「負担が軽くて良かった」となれば御の字と考えるようにしましょう。

部分矯正に関するお悩みをお持ちなら「ユニゾン矯正歯科 銀座6丁目」にご相談ください

東京都内で部分矯正を検討しているが、不安を感じている方は、「ユニゾン矯正歯科 銀座6丁目」にお任せください。

当院では嚙み合わせまで治療可能な全体矯正を推奨しておりますが、部分矯正が適すると判断させていただいた場合には、専門知識のもと治療可能です。ユニゾン矯正歯科 銀座6丁目には、丁寧な診断が可能な矯正専門医(認定医)が在籍しているため、部分矯正でも専門的な知識から治療を進めることができます。

まずは治療相談からお問い合わせくださいませ。皆様のご来院、心よりお待ちしております。