歯列矯正によって目が大きくなるって本当?小顔になる理由と治療法とは
「歯列矯正をしたら目が大きくなるというウワサを聞いた」といった理由で、矯正治療を検討している人が存在しています。
しかし矯正は歯並びを整える治療であって、目を大きくしたいのであれば、アイプチから美容整形まで、歯列矯正以外のさまざまな方法があるでしょう。
それでも歯列矯正が注目を集めていることには理由があります。それはズバリ、治療によって間接的にもたらされる小顔効果が影響して目が大きくなると感じるのです。
私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、数多くの矯正治療を行っています。歯並びを治すことによって、きれいな歯並びを手に入れるだけでなく、顔立ちや口元の雰囲気まで改善できる場合があります。もちろん、歯列矯正では、ご自身の顔の骨そのものの形や高さを変えることはありません。しかし、歯列矯正によって、飛び出した口元が自然な位置までひっこみ、口元と鼻の位置関係のバランスが改善することで、顔のイメージがとてもきれいに変わり、目元の雰囲気が異なって見えるようになることはあります。
今回は矯正と目の大きさの関係について考えてみましょう。
歯列矯正をすれば目が大きくなる?
最近では「目が大きくなる」という理由で、歯列矯正を検討している成人女性が増えています。矯正治療は歯並びを整えることに徹しているのに、どうして歯列とは関係のない器官である「目」に影響するのでしょうか。
このことを説明するには、歯並びを整えることによって顔に変化が表れるケースがあることを知っておく必要があるでしょう。 なかでも口元がシャープになることで、顔の下半分がスッキリとする場合があるのです。そうなると「小顔になった」という印象を持つことも。
顔のサイズが小さくなっているのに対して、目の大きさは変わらない為に、顔に占める目の割合は増加することになるでしょう。その結果、目が大きくなったような印象を生み出すことが出来るのです。
ただし、歯列の状態によっては矯正によって顔のサイズが変わらない場合や輪郭がスマートにならない場合もあるので注意が必要です。
歯列矯正で目が大きくなる理由
さて歯列矯正をすることで、直接的に目を大きくすることは出来ないと分かってもらえたかと思います。あくまでも治療によって小顔になることがあり、その結果として間接的に目が大きく見えるという論理になるでしょう。
そこで気になるのが、歯列矯正で目が大きくなるように感じるのはどんな治療方法によるものなのか、という点です。
抜歯治療で顎の骨が痩せる
抜歯を必要とするケースというのは「歯槽骨」と呼ばれるU字型をした、歯の収まる土台に対して歯自体のサイズが大きく収まりきれないケースで、主に用いられます。
また、上顎の歯列が前突した「出っ歯」の症状や、下顎の歯列が前突した「受け口」でも、突出の仕方が激しい場合は、歯を抜いて歯列を大きく動かすスペースを作り出さなくてはなりません。
そのような抜歯治療は、口元のサイズダウンにつながるケースがあります。歯を抜くことで、その歯を支えていた歯槽骨が減ります。その結果、顎の骨が痩せるので小顔になる可能性があり、目が大きく見えるパターンも考えられるでしょう。
関連記事→ 歯列矯正で抜歯は必須?抜歯をすることのメリット・デメリットや注意点を紹介
エラの張りがなくなる
噛み合わせの悪さが原因で、エラが張ってしまうケースがあることをご存知でしょうか。歯がうまく噛み合ってくれない人は、噛む筋肉である「咬筋」が以上に発達している場合があります。
歯列を正しい状態にしてあげると、上下の歯を噛み合わせることに不必要な力がいらなくなります。その結果、発達していた顎周りの筋肉が落ちていき、顔の輪郭がシャープになるでしょう。
エラが張っていた状態が改善されることは、小顔になれることを意味します。そのことによって、顔に占める目の面積が大きくなるのです。
関連記事→ 歯列矯正をするとエラの張りが変化する?エラの悩みが解消される理由とは
顔の歪みを正す
美しい顔というものを考えた時に、左右対称になっていることはとても大切な要素です。ところが、噛み合わせが悪いと、歯がうまく噛み合ってくれる箇所だけで食べ物を咀嚼する癖がついてしまい、顔が歪みます。
顔の歪んでいる原因が骨格の作りにある場合は、歯列矯正によってそれを治すことは出来ません。しかし、噛み合わせの問題ならば、歯列を正すことで治療することが出来るでしょう。
左右対称に顔貌が整うことで「小顔になった」という印象を周囲に与えることがあります。そのことと関連して、目が大きく見えるようになることもあるかもしれません。
関連記事→ 歯列矯正で「顔の歪みが治った」って本当?フェイスラインも綺麗にできる歯列矯正の魅力とは
歯列矯正の治療方法
「目が大きくなるから歯列矯正をしたい」と考えている人のなかで、矯正治療がどういったものなのか知らない人もいるかも知れません。
歯の動きやすさは人それぞれで異なってきますが、成人した患者さんの歯は成長しきっているので、理想の位置まで歯を動かすのには、長い期間を必要とすることが一般的です。
ここでは、実際に歯を動かす為に用いる2種類の矯正装置についてピックアップし、それぞれの特徴を紹介しましょう。
ワイヤー矯正
歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる部品を接着し、そこに金属製のワイヤーを通して歯に力を加える矯正法を「ワイヤー矯正」と言います。昔ながらの手法なので医療ミスが起こりにくく、幅広い症状に対応するのです。
デメリットとして考えられることは、一つ目に「装置が目立ってしまう」ことだと言えます。しかし最近では、ワイヤーやブラケットを歯と同色にして目立ちにくくしたり、歯の裏側から装置を付けて部品を歯で隠すような処置も可能です。
もう一つのデメリットは、一度装置を取り付けると矯正治療が完了するまで取り外しが出来ない点です。矯正中に虫歯や歯周病になると、そちらの治療が優先されて矯正がストップするので注意しましょう。
関連記事→ 歯列矯正のワイヤー矯正にも種類がある!マウスピース矯正とどっちを選ぶ?
マウスピース矯正
ワイヤー矯正よりも新しい治療方法として挙げられるのが「マウスピース矯正」です。これは、段階的にマウスピースを取り替えることで、目標とする歯列へと徐々に歯を動かしていく手法になります。
食事や歯磨きの際には、マウスピースを取り外すことが出来る点が長所と言えます。ただし、1日の装着時間は最低でも20時間と決められているので、それを守らないと治療が進まないことを覚えておきましょう。
また、透明の樹脂製になっているので装置が目立ちにくい点もメリットと言えるでしょう。ビジネスシーンにおいて、矯正していることが周りに分かってしまうことを嫌う人も安心できます。
関連記事→ インビザライン矯正は大人の女性におすすめ!矯正治療の流れとおすすめポイントとは
ユニゾン矯正歯科銀座6丁目なら「顔のバランスと歯列矯正の効果」について相談可能!
このように、歯並びを治すことによって、顔立ちや横顔の雰囲気まで改善できる場合があります。飛び出した口元を治すことで、顔立ちがきれいになるだけでなく、相対的に鼻が高く見え、面長の雰囲気が改善し、相対的に目元が大きく見えるようになる可能性もあります。
一方、面長と歯並びを根本的に治すために、矯正治療だけではなく、外科手術が必要な症例もあります。
歯列矯正によって口元の雰囲気や横顔のプロポーションを改善できるのかどうか、知ることから始めませんか。
ユニゾン矯正歯科では、丁寧なカウンセリングを行ったうえで説明いたします。
横顔における上顎・下顎の位置関係や歯の傾きなどを確認し、同じ年代・性別の方々と比較してご自身のどこに問題点があるのかを説明いたします。外科手術が必要な症例なのか、それとも外科手術をしなくても、歯列矯正だけで改善可能なのかどうか、を説明いたします。
まとめ
以上、歯列矯正で目が大きくなると言われている原因について考えるとともに、実際の矯正手法にはどのようなものがあるのかについて紹介しました。
歯並びを整えることによって小顔になった結果、目が大きく見えるというケースもあることが分かってもらえたかと思います。
しかし歯並びの状態というのは、患者さんによって本当にバラバラですから「必ず目が大きくなる」とは言えないことを覚えておきましょう。
自身の歯列がどういった状態なのか知りたい方は、ぜひ一度当院までお越しください。
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