歯列矯正が早く終わる人の特徴とは!歯の動きやすさには個人差があるって本当なの?
「私よりも後に歯列矯正を始めたのに、私より治療が早く終わる人って一体…」といったように、自分よりも短い期間で治療を終える人を見ると、気持ちに焦りが生じることもあるでしょう。
確かに、治療を早く終えている人を見てみると、歯の動きやすさと言った「身体的な特徴」という部分があるのかも知れません。
しかしそれ以上に、意識的な取り組みや心がけによって、歯列矯正が早く終わる人になれる可能性は誰にでも十分にあると言えるでしょう。
私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、数多くの矯正治療を行っています。わからないことだらけの矯正治療について、少しでも身近に感じてもらえるように、患者さんが特に気になっていることに関して、経験をもとに説明していきます。
今回は最短で治療を終わらせている人の特徴を細かく見ていくことで、多くの人の歯列矯正の参考となる記事を目指します。矯正治療への向き合い方を良い方向に変えていきましょう。
歯列矯正が早く終わる人の特徴
歯列矯正が早く終わる人とそうでない人が存在するのは、ある意味当たり前のことです。なぜなら患者さんの口内環境は実に様々なので、治療に当たる上で一人ひとりの条件が異なってくるからです。
ですから「この器具を装着すれば、期間は〇〇くらい」といった言い方は、本来できないものなのです。それでも治療のイメージを掴んでもらう為に、期間に幅を持たせて提示しているのが現状でしょう。
さて、そのようなことを前提にしつつも、確かに治療が早く終わる人というのは存在しているのです。どういった人が早期に終えられるのか、以下に示してみましょう。
歯が動きやすい人
矯正に用いる装置は、歯に微弱な力を加えることで徐々に歯列を整えていくのですが、歯そのものが動きやすい人は治療がスムーズに進むので歯列矯正が早く終わるでしょう。
歯の動きやすい人はどういった人なのでしょうか?
子供
子供は骨が成長しきっておらず、外部からの力に対して影響を受けやすいという特徴があります。ですので、悪い癖がついたら歯列が乱れやすい反面、矯正による治療も効果が上がりやすいと言えます。
その結果、成人した大人と比べて治療期間が短くて済むでしょう。
新陳代謝が活発
新陳代謝が活発な人は、歯の周りの組織も新しいものへと入れ替わるサイクルが早い為、歯が動きやすい状態にあると言えます。
若い人ほど新陳代謝が優れていると考えがちかも知れませんが、若くても不摂生な生活をしているとNGでしょう。逆に年齢を重ねていても、規則正しい生活を送っている方は新陳代謝に優れているケースがあります。
歯並びの乱れが軽度の人
歯並びの乱れ具合が軽度の人ほど、動かすべき歯の本数や移動させる量が少なくて済むことが多い為、治療が早く終わるでしょう。
例えば、数本だけの矯正で済む場合は「部分矯正」といって、特定の歯だけに働きかける治療法が採用されます。歯列全体が乱れている為に「全体矯正」の治療を受ける人と比べると、その差は歴然でしょう。
歯列矯正で歯が動く仕組みについて
歯の動かしたい方向に力を加えていると、「歯根」と呼ばれる歯茎内に埋まっている歯を取り巻く「歯根膜(しこんまく)」に力が伝わります。この膜の外側には「歯槽骨(しそうこつ)」と呼ばれる骨があるのです。
歯根膜が圧力を受けると歯槽骨がそれを察知して、歯の動かしたい方向を塞いでいる自らの骨を吸収することで、スペースを作り出します。そのスペースに歯が移動することになるでしょう。
歯が移動した後にできた隙間は、新たに骨が生産されて埋められることになります。このようにして、歯槽骨自体が骨の吸収と生産を繰り返すことで、歯が徐々に動いていくのです。
先の項で挙げた新陳代謝に優れる人は、このサイクルが短いとも言えるでしょう。そのため、歯列矯正が早く終わる人といえるのです。
大人でも歯列矯正が早く終わる人とは?
先の項では「歯が動かしやすい」「歯の移動量が少なくて済む」といった条件は、治療を早く終えられると述べました。しかしそれ以外にも、歯列矯正が早く終わる人にはいくつかの共通点が存在しています。
その点に気を付けることで、自身の歯列の条件がどのようなものであろうとも、治療を最短で終えられる可能性がグンと高まるはずです。この項では、歯列矯正が早く終わる人の特徴を紹介しましょう。
専門の矯正歯科医で治療をする
「歯医者」とひとことで言っても「一般歯科」「矯正歯科」「口腔外科」など、その専門とする分野が異なっていることをご存知でしょうか?
そして歯列矯正でトラブルを招く原因になっているのが、専門外であるはずの一般歯科でも矯正を行えることなのです。
なかには技術の高い一般歯科もあるでしょうが、歯列の乱れを治したいと本気で考えているのならば、その道の専門家である矯正歯科を訪ねることが最低条件になるでしょう。それを怠ると治療の効果が上がらず、期間ばかりが長引いてしまうことも。
そして、公益財団法人の「日本矯正歯科学会」では技量のある歯科矯正医を「認定医」と認める、いわゆる資格制度を設けています。治療を早く終えている人は、腕の立つ認定医のお世話になっていたりするでしょう。
歯並びに合った治療法を取り入れる
「歯並びに合った治療法をしてくれる存在とは?」と問うてみると、これも歯列矯正の専門家である「矯正歯科医」の存在が浮かび上がってくるはずです。
歯並びに特化して治療を行なっている医院の特徴として、初診のときに「セファログラム」と呼ばれる専用のレントゲンを備えている点が挙げられるでしょう。
この機器により、顎関節などの骨格の具合や歯の生えている方向が把握できます。さらには、理想的な歯列に持っていく為に必要な歯の移動距離も分かるでしょう。
歯列矯正の専門家だからこそ、専用の機器を揃えていて、患者さんに合わせた最適な治療方針を打ち出すことが出来るのです。最短で治療を終えている人は、その事を理解しているでしょう。
医師の指導を守る
矯正期間中は決められた期間で通院をして、歯科医が治療の進み具合を確認する作業が行われます。問題なく治療が進んでいても、もしくは不意のトラブルに見舞われても、医師からの指導はしっかりと守りましょう。
医師は「この期間で歯列はこうなっているはず」という予測を立てて治療を進めています。ただし、その予測どおりになる為には、治療を受けている当事者である患者さんの努力も必要なのです。
いくら歯科医の腕前が良かったとしても、その医師からの指導が守れないと、計画通りに治療が進みません。歯列矯正が早く終わる人は、その点に気を付けているものです。
歯列矯正を早く終わらせるためのポイント
ここまで記事を読み進めた方は「私も歯列矯正が早く終わる人になりたい」と考えているに違いありません。治療を早く終える為に自分で出来ることはたくさんあります。
この項では、そういったポイントをいくつかピックアップして、紹介しましょう。
悪い癖を無くす
「舌先で前歯を押す」「頬杖をつく」など、生活習慣で身に付いた歯並びを悪くする癖が抜けないと、治療の効果が上がってきません。
自身の日常的な振る舞いを一度しっかりと振り返って、歯並びを悪くしている原因とも言える癖が身に付いていないかチェックしましょう。悪い癖に気付いた際には、その行為を控えるように心がけるべきです。
虫歯や歯周病に気を付ける
矯正期間中に虫歯や歯周病にかかってしまうと、矯正を一度ストップさせて、虫歯・歯周病治療をすることになります。その結果、矯正にかかる期間が長引いてしまうでしょう。
ワイヤー型の矯正装置となると、装着したまま食事や歯磨きをすることになるので、歯の手入れが大変です。しかし歯のメンテナンスをしっかりとすることが、結果的に治療を長引かせないことを覚えておきましょう。
新陳代謝を高める工夫
歯槽骨が骨を吸収・生産することで歯が動くことから、口周りの組織の新陳代謝が活発だと、歯の動くスピードも高まることが期待できることは既に述べました。
そのため、規則正しい生活を送ることが大切です。また、栄養バランスの取れた食生活を送るとともに、睡眠時間をしっかりと確保することも忘れてはなりません。
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歯並びを治すことによって、笑顔が綺麗になるばかりではなく、歯磨きがしやすくなり、滑舌やかみ合わせがよくなり、さらに口元の雰囲気や顔立ちまで改善できる場合があります。
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まとめ
以上、歯列矯正が早く終わる人の特徴と歯の動く仕組みについて紹介し、骨が成長しきった大人でも治療を早く終えている人について考え、そのポイントを解説しました。
基本的なポイントさえ押さえておけば、治療はスムーズに進み、結果的に最短の期間で治療が完了することが分かってもらえたかと思います。
インターネットからは矯正に関するたくさんの情報が得られますが、情報を詰め込みすぎることも問題があると感じていて、必要なものだけを選び出す力が求められているのかも知れません。
当院ではカウンセリングの場で、矯正について分からないことのある人に対し、相談に応じています。悩み事のある方は、ぜひ一度お越しください。
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