歯列矯正が必要な人とは?矯正歯科医が解説する治療の必要性を知っておこう!
「私は歯列矯正が必要なのかな?それとも必要ないのかな?」といったように、自身の歯並びに治療を要するかどうかを知りたい人はとても多いでしょう。矯正治療は期間が長いことに加えて非常に高額な医療費が掛かる為、出来ることなら「治療せずに済ませたい」と思う人がいても不思議ではありません。
私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、数多くの矯正治療を行っています。治療が必要かどうか悩み、なんとか勇気をふりしぼって来院される方はたくさんいます。
ここをご覧下さる方の多くが、歯並びに何らかのお悩みをお持ちだと思います。私は全ての方の歯並びのために矯正歯科治療が必要だとは考えておりません。
ただ、明らかに治療が必要な、日常生活や対人関係に支障をきたす歯並びや咬み合わせをお持ちの方もいらっしゃいます。そのような方にとっては矯正歯科治療をすることには様々なメリットがあります。見た目の印象がより良くなるだけではなく、口腔内の環境や体全体にも良い影響があると考えられます。
そこで、歯並びに悩んでいるようでしたら、矯正の専門の歯科医師に一度診てもらうことは強くお勧めしたいと思います。歯並びに問題を抱える方にとって矯正歯科治療は「やった方が良い」治療の場合が多いですが、「やらなければならない」訳ではありません。私は、やらなくてもいい治療と判断される場合には、そのままお伝えするようにしています。また、治療が必要と判断される場合でも、矯正歯科治療のメリットだけでなく、デメリットまで十分に説明いたします。その上で治療されることを選んでいただけば嬉しいと考えています。
今回の記事では、治療の「いる/いらない」をある程度自身で判断できるようになる為に、必要な知識を集めてみました。自身の症状をしっかりと把握し、本当に歯列矯正が必要ない人に該当するのか参考にしてください。
歯列矯正の必要がある・必要ない人の違いは?
歯列矯正をしたほうがいい人であるか、必要ない人であるか、自分で明確に答えを出すことが出来れば、わざわざ歯科医院に足を運ぶ必要が無くなることでしょう。
大切なことは、どのようなケースにおいて矯正をするのか、もしくはしないで済むのかという点をしっかりと把握することです。その点を理解しておけば、自身に必要な治療かどうかある程度見極めが出来るでしょう。
ここでは、そういった判断の仕方について解説してみましょう。
見た目にコンプレックスを感じる
「歯並びの乱れが気になって人前で歯を見せて笑うことが出来ない」といったように、ご自身の歯並びや口元にコンプレックスを抱いている人は、一度、治療相談にお越しになることをおすすめします。
矯正治療は見た目を美しくする点において、患者さんの欲求を満たす提案ができることが多いです。
噛み合わせの悪さ
「噛み合わせが悪い」と自覚することは、ある意味とても難しいことでしょう。なぜならば、仮に噛み合わせが悪いとしても、そのような自身の口内環境に慣れきってしまって異常を感じないことが多いです。
そこでチェックしてほしいポイントとなるのが、歯がうまく噛み合ってくれる部位だけで、食べ物を咀嚼していないかという点です。
歯並びがよくなれば歯列全体を使って食事を楽しむことが出来ます。歯列全体で食事が出来ていない人は「噛み合わせが悪い」という自覚を持ち、治療を検討してみると良いかもしれません。
虫歯や歯周病になりがち
歯列の乱れによって歯磨きが歯の全体に行き届かない人は、歯列矯正が必要な人かも知れません。口内を清潔に保つことが出来ないと、虫歯や歯周病の原因となる雑菌が溜まってしまいます。
その結果、自身の歯を失ってしまう場合も考えられるでしょう。歯を健康な状態に保つ為には、歯列が整っている方が良いことに違いありません。歯並びを整えることで歯の寿命がのびるのです。
「歯列矯正は必要ない」と感じても治療した方がいい人の歯並び
歯列は自覚しないうちに生え揃い、とくに気に留めず日常生活を送るため、「私には歯列矯正が必要ない」と感じている人はとても多いでしょう。しかし、そういった人のなかでも治療をすることで生活の質が劇的に改善するケースがあります。
ここでは「自分は治療が必要ない人だ」と思っている方でも、治療を受けた方が良いパターンの歯並びをピックアップして、それぞれの特徴を紹介しましょう。
出っ歯と受け口
上顎の歯列が前へと突き出た「出っ歯」の症状は、上側の前歯が出ていて、ひどい症状だと唇を閉じることが出来ません。口元が出ている印象を与える為、そのことをネガティブに感じている方も多いはずです。
また、下顎の歯列が前方へと出ている「受け口」の症状は、下側の前歯の方が上側より前方に来ている状態です。下顎が突き出たルックスにコンプレックスを抱いている人も多いでしょう。
これらの症状は、歯列を奥へと引っ込める矯正治療によって改善することが出来ます。(骨格に問題がある場合には外科手術が必要な場合もあります)
開咬とすきっ歯
口を閉じているのに上下の前歯が開いてしまう症状を「開咬(かいこう)」と言います。この症状の持ち主は、食事で咀嚼したものが口から出やすいでしょう。
また、歯と歯の間が極端に開いている「すきっ歯」の人のなかには、発音しづらい言葉があるなどの不具合を感じる方もいるはずです。このような面で支障を感じている人は、治療によって改善が見込めます。
叢生と偏位
歯が生えている土台に対して歯のサイズが大きいと、それぞれの歯がひしめき合うように生える「叢生(そうせい)」と呼ばれる症状になってしまいます。いわゆる「八重歯」もこの症状の一種と言えるでしょう。
また上下の前歯が中心で揃わず左右にズレてしまっている症状を「偏位」と言います。顔の歪みとなって表れる為、そのことにコンプレックスを抱く人も多いです。
叢生に関しては、抜歯をするなどして歯を動かすスペースを作り出して歯列を整えることが出来ます。また偏位の症状が重い場合は、外科手術をした上で矯正することになるでしょう。
歯列矯正の治療の流れについて
「出来ることなら歯列矯正をしなくてすませたい」と願っている人でも、矯正治療の効果や期間や費用を正しく知ることにより、治療を前向きにとらえられるケースは多いでしょう。
確かに歯列矯正には「痛そう」「面倒くさそう」「高額」など、ネガティブなイメージを持って語られる側面があるので治療したくないと感じるのかもしれません。そういった「イメージ先行」の状態を改める為に、この項では歯列矯正の治療について詳しく見ていきましょう。
治療期間・費用
歯の根本は「歯槽骨(しそうこつ)」と呼ばれる骨に埋まっている状態です。歯に力を加えると歯槽骨に力が及び、力の掛けた方向の歯槽骨に隙間ができ、そこに歯が移動します。
それと同時に、移動によってできた隙間を歯槽骨が埋めるのです。このような一連の動きによって歯が動きます。その為、動くスピードが限られてくるので、ある程度の治療期間を要するでしょう。
矯正治療の期間はだいたい2年前後、費用は80万~120万程度が目安になります。審美的に配慮した装置になると、もう少し費用がかかることでしょう。
治療の流れ
カウンセリングで治療方針が決定したら、矯正装置を取り付けます。ワイヤー型の矯正装置になると治療中は取り外しはできません。マウスピース型になると1日20時間以上の装着が必要となります。
装置を取り付けた後は、月に一度の通院で歯列の状態を確認しつつ、装置の調節を行うでしょう。
2年が経過し、歯列が綺麗に整ったら治療が終わるのではなく、その次の段階として「保定期間」に移行します。これは、歯列が元の乱れた状態になる「後戻り」という症状を防ぐ為の期間で、治療後の位置で歯を固定する処置をします。
具体的には「リテーナー」と呼ばれる装置を装着し、後戻りを防ぎます。取り外しの出来るタイプもありますが、それを用いる際は1日の装着時間をしっかりと守りましょう。
ユニゾン矯正歯科銀座6丁目なら「歯列矯正の必要性」について相談可能!
私は全ての方の歯並びのために矯正歯科治療が必要だとは考えておりません。矯正治療をしなくても特に支障がない場合はそのように伝えるようにしています。しかし、矯正治療が必要な症例や、矯正治療の効果が大きい症例が数多く存在することも事実です。
歯並びを治すことによって、きれいな歯並びを手に入れるだけでなく、歪んだように見える顔立ちや口元の雰囲気まで改善できる場合があります。見た目の印象がより良くなるだけではなく、口腔内の環境や体全体にも良い影響があると考えられます。歯列矯正をしたことで性格がますます明るくなり、心にもいい影響があったと思われる方が多いのも事実です。
ご自身の歯並びの問題を、歯列矯正によって改善できるのかどうか、初診相談を受けて、知ることから始めませんか。
ユニゾン矯正歯科では丁寧なカウンセリングを行ったうえで説明いたします。
まとめ
以上、歯列矯正が必要ない人と必要な人について説明し、治療すべき歯列の状態に触れ、歯列矯正の治療の流れについて解説しました。
この記事を読んで「私は歯列矯正が必要ない人だろう」と胸をなで下ろしている方もいることでしょう。また逆に、治療の必要性を感じた方もいるはずです。歯並びが悪い為に生活の質が落ちてしまっているのは、もったいないことだと言えるでしょう。そういった方は勇気を出して相談にお越しください。
当院では患者さんに寄り添い、丁寧な治療を心がけています。歯列のことで悩みがある方は、ぜひ一度お越しください。
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