インビザラインで矯正中のホワイトニングは問題ない?注意点とホワイトニングの基礎知識

インビザラインで矯正中のホワイトニングは問題ない?注意点とホワイトニングの基礎知識

「インビザラインで矯正したついでに歯をホワイトニングしようかな」といった考えを持つ人は非常に多いのではないでしょうか。

せっかく歯列が綺麗に整ったとしても、着色汚れなどで色合いに不満があると矯正治療をした満足感も今ひとつ得られません。

私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、インビザラインによる数多くのマウスピース矯正治療を行っています。またあわせてホワイトニングの治療も数多く行っています。

審美性から歯を白くしたいと考える際に悩むのが、どのタイミングでホワイトニングをすれば良いのかということでしょう。今回はその答えを考えるとともに注意点などについて考えてみます。

インビザラインの矯正中のホワイトニングについて

インビザラインで歯列矯正をしている最中の患者さんのなかには「ホワイトニングもしたい」といった希望を持っている方もたくさん存在しているでしょう。

「どうせ綺麗にするなら矯正とホワイトニングを同時進行で済ませたい」という考え方をするのは、ごく自然なことです。そのような問い合せを受けたならば、答えはズバリ「同時にすることも可能」とお伝えします。

ホワイトニングの処置としては薬剤を用いて歯を白くするものですが、自宅でご自身が行うケースと歯科医で専門的な資格を持つ人から施術を受けるパターンの2種類があります。

それらの特徴を以下に紹介するので、どちらが自身にフィットするか比較してみてください。

ホームホワイトニング

「ホームホワイトニングをしたい」とお世話になっている医院にお願いすると、ホワイトニング専用のマウスピースを作成してくれます。そのマウスピースと処方された薬剤を用いて、自宅で歯を白くすることが出来ます。

「全然白くなってこないんだけど…」と戸惑う患者さんがいるかも知れませんが、使い始めてから効果が出るまでには7~10日ほどの期間を要することを覚えておきましょう。

また、オフィスホワイトニングよりもホームホワイトニングの方が白さの持続性に優れていると言われています。

オフィスホワイトニング

歯科医へと足を運び、歯科医師および歯科衛生士といった資格を持つ人に処置をしてもらうのが、オフィスホワイトニングの特徴です。専門家から施術を受けられる安心感は大きなものだと言えるでしょう。

使用する薬剤も効果が強く出るものを用い、それと光照射を組み合わせるなどして歯を白くしていきます。ホームホワイトニングと比べて、効果がすぐに出てくるでしょう。

たった1、2回のオフィスホワイトニングで効果を感じることができるので、ホームホワイトニングよりも手間がかからない点がメリットです。その分、費用はオフィスホワイトニングの方が高めの設定となっています。

インビザラインとホワイトニングを同時にする注意点

先の項では、インビザラインとホワイトニングの同時進行は可能だと述べましたが、注意すべき点もいくつか存在しています。それらの問題点を知った上で、歯のホワイトニングをする時期を判断してください。

「なんとなく白くしたいから」といった理由で、矯正治療中に歯の漂白を始めてしまうと、思いもよらないトラブルに見舞われる可能性もあります。

また、そういったトラブルをあらかじめ見越して、矯正中のホワイトニングをしないクリニックも存在しています。この項では、矯正中に歯を白くする上で問題となるポイントをピックアップして紹介しましょう。

しみるような痛み

歯列矯正中は歯に力を加えることで、歯茎と歯の間に隙間が生じやすくなっています。そのため、歯を白くする薬剤を加えると痛みを感じるケースがあります。また、歯が動いている最中は知覚過敏を引き起こしやすい状態です。

ホワイトニングによるある程度のしみるような痛みは覚悟しておくといいでしょう。もし、我慢できないほどの痛みを感じたらクリニックに相談して適切な処置を受けましょう。

アタッチメントの接着面

インビザラインは「アライナー」と呼ばれるマウスピースで歯列に力を加える矯正法です。その際、歯とアライナーをより密着させる目的で「アタッチメント」と呼ばれる小さな樹脂の部品を歯に接着する場合があります。

アタッチメントが歯についた状態でホワイトニングをすると、そこだけ薬剤が行き届かない問題が発生し、均一な白さを出せない場合があるでしょう。

そのことから、アタッチメントを装着している間は歯を漂白するのに不向きな時期と言えます。

ムラができやすい

歯が移動している最中に歯を白くすると、その時は綺麗にすべての歯が白くなっても、後にムラになる恐れがあります。

なぜなら、理想の歯列へと歯を動かしている最中なので、最終的に仕上がった歯列となった際に薬剤が行き届いていなかった部分が露出することがある為です。

ホワイトニングで完全に白くなった部分と、そうでない部分がくっきりと分かれてしまい、おかしな目立ち方をするケースもあるでしょう。ホワイトニングの処置をする際は担当の歯科医にしっかりと相談しましょう。

マウスピースの装着時間

インビザラインのアライナーをホワイトニング用のマウスピースとして使用することも可能です。ホームホワイトニングを選択したとして、歯を白くする薬剤をマウスピースの内側に塗布して最大2時間ほど毎日装着しなくてはなりません。

それとは別に、インビザラインの装着時間は20~22時間と決められているので、ホワイトニングの薬剤を2時間以上つけたままにしてしまう恐れがあるでしょう。長時間、薬剤をつけたままにすると歯がしみて痛みを感じたり知覚過敏になりやすくなります。

ホワイトニングに最適なタイミングはいつ?

インビザラインで歯列を整えているから「ついでに」といった感覚でホワイトニングをする人がとても多いです。そういった人は、どのタイミングが最適なのかを知っておく必要があるでしょう。

大きく分けて矯正治療前と治療中、治療後の3つに分かれます。そしてそれらは、矯正に用いる器具によっても理想的なタイミングが異なってくるのです。

インビザラインは先に挙げた注意点に気を付ければ良いでしょう。それ以外の矯正法では、表側のワイヤー矯正は治療前と治療後、裏側のワイヤー矯正はいつでも白くする処置ができると覚えておきましょう。

ここでは、そういった前提を踏まえつつそれぞれの特徴について解説しましょう。

矯正治療前

歯の表側でワイヤー矯正を行う場合、一度装着するとその後は数ヶ月〜年単位で装置を取り外せなくなります。その間に着色をしたりするので、なるべく治療前に歯を白くしておく考え方が一般的です。

インビザラインは取り外しが自由に効く為、そこまでシビアにならなくても良いかも知れません。しかし、治療の経過とともに着色が気になり出すケースがある為、やはり矯正に入る前に歯を白くする考えは有効です。

このようなケースの場合、素早く施術を終えることができ、効果がすぐに現れるオフィスホワイトニングをすると良いでしょう。

矯正治療中

インビザラインでの矯正を扱うクリニックのなかには、漂白もアライナーで同時に行えることを提唱しているところもあります。まさに歯列矯正をしながら、歯を白く出来ることを打ち出しているのです。

そのことからは、何をするにしても「時短」と言われる世の中なので「矯正と同時に歯を白くしたい」という需要がとても多いことが伺えます。「前でも後でもなく“今”が良い」と考える人が多数存在しているのでしょう。

そういった考えを持つ患者さんは、先の項に挙げた注意点を押さえつつ担当医と相談の上、治療を進めると良いでしょう。

矯正治療後

治療後というのは歯列が理想的な状態になっています。そこで白くする処置を行うと、歯の乱れが無いことから薬剤が行き届きやすく、仕上がりが綺麗でしょう。

また、ホワイトニング前にクリーニングをすることで矯正治療中の歯の汚れなどを落とすことも出来るので、治療の総仕上げ的な意味合いでも人気があります。

歯の後戻りを防ぐ「保定期間」において、リテーナーを装着しながらの漂白の処置もここに含まれます。マウスピースタイプのリテーナーであれば、ホームホワイトニングがお勧め出来るでしょう。

まとめ

以上、インビザラインの矯正中にホワイトニングの注意点と歯を白くする最適なタイミングについて触れました。

歯の色合いが白くて綺麗なことは、歯並びが整って美しく見えるのと同じくらい、相手に好印象を与えることができます。

ですので矯正治療を受けている方は検討すると良いでしょう。当院では歯列に関する悩みを聞く場を設けていますので、相談したいことがあるならばぜひ一度お越しください。

                              

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