インビザラインで奥歯がパカパカする!?浮いた感じがする原因と対処法とは
歯列矯正における最新の治療法であるインビザラインは「アライナー」と呼ばれるマウスピースで歯列を整えるのですが、まれに奥歯がパカパカする症状が起こります。
ここで「パカパカ」と表現している症状は、歯がしっかりと噛み合わず、アライナーがどこか浮いたような感覚になることを意味します。
今回はなぜそのような症状が発生するのか、そのメカニズムについて詳しく見ていくので、インビザラインでの治療を受ける上での参考になれば幸いです。
インビザライン治療で奥歯が浮くと感じるケース
奥歯がパカパカするというのは、インビザライン矯正で用いるアライナーがフィットせず浮いた状態であるということは冒頭で述べました。
この項ではより具体的に、どのような治療段階で浮くと感じやすいのか詳しく示してみます。
アライナーがフィットする前の段階
インビザラインは、アライナーを段階的に取り替えて理想の歯列へと歯を動かす治療法です。目指したい歯列の形をしたアライナーを装着することで歯に力が加わり歯列が動いていきます。その為、最初にアライナーを装着した時には、実際の歯列からややズレた形をしているでしょう。
7〜10日の間隔でアライナーを取り替えていきますが、取り替えた際に奥歯が浮く感覚を抱くのは、このような理由によります。
アタッチメントの装着段階
歯を効率よく動かすために「アタッチメント」と呼ばれる樹脂製の小さな突起を歯に接着します。治療計画の段階でアタッチメントを取り付けるタイミングなどを決定します。しかし、奥歯の高さが足りずにアタッチメントを装着しないケースや審美性の観点からアタッチメントを小さくする場合があるのです。
アタッチメントがあることでアライナーとの密着度が増すので、何かしらの理由でアタッチメントを奥歯に接着しないことがあるとそこだけ浮いてしまい、パカパカとすることがあります。
インビザラインがパカパカ浮いてしまう原因
インビザライン矯正の治療方法によって、奥歯がパカパカするケースがあることを述べました。ほかにも、自身の行動が原因で奥歯がパカパカと浮いてしまう状況があります。
装着時間
インビザラインでの矯正においては、1日20〜22時間のアライナーの装着義務が課せられています。それを守ることが出来ないと、想定通りに歯が動いてくれません。
装着義務を怠ることで「このアライナーでここまで歯が動いているはず」という予定が崩れてしまいます。つまり、当初に立てた計画と実際の歯列の状態に違いが出来てしまうのです。
そうであるにも関わらず、アライナーの切り替え時期だけは守っているとどうなるでしょうか。おそらく実際の歯列とはまったく合わない形状になり、パカパカと浮く原因になってしまうでしょう。
アライナーチューイーを適切に使っていない
アライナーをしっかりと装着する為には、弾力のある「アライナーチューイー」という補助器具が欠かせません。アライナーを装着するにあたっては、これをしっかりと噛む必要があります。
密着度を高めるアタッチメントを歯に取り付けていたとしても、指でアライナーを装着すると目視では確認できないズレが出来てしまい、浮く原因になるのです。その為、チューイーをしっかりと噛みましょう。
着脱する回数が多い
アライナー自体が柔らかい素材で出来ているので、何度も着脱を繰り返しているとフチの部分がヘタってしまうことがあり、矯正する力が落ちて浮いてしまうケースがあります。
また、何度も着脱を繰り返すことは装着時間が短くなることにも繋がります。「食事と歯磨き以外は付けっぱなしにしておく」といった認識をしっかりと持ちましょう。
奥歯がパカパカしていると感じたらどうすればいい?
インビザラインによる矯正治療中に奥歯がパカパカとしだしたら、どのように対処すれば良いのでしょうか。何もしないで放置していると、浮いた状態が続くので何かしらの対策をしないといけません。
ここでは、自身で出来ることを紹介するとともに、歯科医院での追加の処置についても解説しましょう。
自分で出来ること
とにかく真っ先にすべきことは、アライナーの装着時間をしっかりと守ることです。その上で、自身の抱えているトラブルを担当の歯科医に相談し、問題を共有するように努めましょう。
そして、これまでアライナーチューイーを使っていなかった場合は、医師の指導のもとで用いることも一つの手段です。また、一つ前のアライナーに戻すようにと、医師から指示が出る場合もあるでしょう。
医師は、自身が患者さんに対して行った指示をしっかりと守ってくれていることを前提に方針を立てています。その為、医師からの申し付けをキッチリと守ることが大切になるでしょう。
歯科医院ですること
スキャンによって口内の様子を再び把握し直し、追加のアライナーを作成するケースがあります。米国から歯科医院に届くまでに、2〜3週間の期間を要するものと覚えておきましょう。
また、当初予定していたよりも歯の移動量が少ない場合の処置としては、移動量の少ない歯に対して「セクショナルワイヤー」と呼ばれる部分矯正用ワイヤーとブラケットで歯を移動させるケースも考えられます。
そして、仮に移動量が足りない歯が「わずか1本だけ」だったりと、ごく少数な場合は矯正用のゴムを用いる場合もあるでしょう。「ブーツストラップ」と呼ばれるボタンを歯に取り付け、ゴムをそこに掛けて矯正します。
まとめ
以上、インビザライン矯正において奥歯がパカパカと浮く状態について、その原因とともに触れた上で、取るべき対処法について解説しました。
奥歯以外の箇所でもアライナーが浮いてしまう現象は、しばしば発生するものです。その時の対処法としても装着時間を守り、なるべく早く医院に足を運ぶことが大切になります。
総じて「今は治療中」という気持ちを強く持ち、努力目標を設けることでうまく治療が進むケースが多いので、その点を忘れないことです。
当院でもインビザラインでの治療を取り扱っていますので、気になる方は一度相談にお越しください。
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