インビザラインなのに痛いのはおかしい?痛みの原因やタイミング・対処法を徹底解説

インビザラインなのに痛いのはおかしい?痛みの原因やタイミング・対処法を徹底解説

「痛いから歯列矯正をしたくない」と考えている人のなかには「インビザラインでの施術はまったく痛みを感じない」という誤った情報を信じている方が少なくありません。

結論から申し上げるならば、程度の差こそあれインビザラインでの矯正において、痛い思いをする場合があります。

それを聞いて「だから歯列矯正はイヤ」と即座に否定するのではなく、大切なのはその痛さの程度と対処法、そしてなぜその問題が起こるのかというメカニズムを知ることでしょう。

そういった情報を正しく把握しておくと、治療中に起こる不意の出来事に対してパニックにならず対処できるはずです。今回はインビザラインで感じる痛さについて話を進めていきましょう。

インビザライン矯正とワイヤー矯正で痛いと感じる理由とは

インビザライン矯正はワイヤー矯正と比べて痛みが少ないと言われています。「痛い思いをするくらいなら治療しない」と考える人も多いでしょうから、この点は気になる部分ではあります。

そのことについて、詳しく見ていきましょう。

矯正で歯が痛くなる仕組み

矯正用の装置を取り付けると、歯列を動かすべく歯に一定の力を加えています。

矯正治療の仕組みは、歯に力を加えることで歯が埋まっている歯槽骨という骨でできた土台に働きかけます。歯槽骨に力が加わることで、歯の動く方向の骨が吸収されたり、移動してできたスペースに新しい骨を生み出します。

骨の吸収の初期に「プロスタグランジンE2」という痛みを感じる物質が分泌されるのです。治療を受けていて実際に歯が動いている人ならば、多くの人が痛いと感じます。

それと同時に痛みには「慣れ」というものも存在します。装置を取り付けてからおよそ2〜3日後に痛みのピークを迎えますが、それ以降は徐々に慣れていき、1週間もすれば痛さを感じなくなるでしょう。

インビザライン矯正とワイヤー矯正の痛む程度の比較

インビザラインは7〜10日に一度、マウスピースを取り替えていく作業を繰り返すことで、段階的に理想の歯列へと持っていきます。そして、1枚につき歯が動く距離はわずか0.25mmと、とても微弱なものです。

それほどまでに微弱な力をワイヤー矯正で実現するのは難しいと言えます。ワイヤー矯正は1ヶ月に一度、締め付け具合を調整することから、一回の施術で1ヶ月分の力を加えることになるでしょう。

それによって歯が浮いたようになり、上下の歯を噛み合わせるだけで痛いと感じ、食事で硬いものが噛めなくなるケースも。また、歯に取り付けた部品が口内の粘膜を傷つけて、痛く感じる場合もあるでしょう。

それに比べてインビザラインは、加える力が微弱なので痛さが軽減されます。ただし、マウスピース装着時に窮屈な感じや圧迫感・違和感を覚えることも。激しく痛まずとも、痛みがゼロではないと覚えておきましょう。

インビザラインが痛いのはどんなタイミング?

「インビザラインでの矯正はまったく痛いと感じない」と誤解して治療を受けている人は、突然痛み出すとビックリするかも知れませんね。

この治療法とて、ある程度の痛さを伴うものだと事前に知っておけば、いざという時にそれほど慌てる必要もないはずです。それでは、インビザラインでの治療中に痛くなるのはどんな時なのでしょうか?

初めてマウスピースを着けた時

歯列の状態と取り付けるマウスピースの歯型が異なっているほど、歯に力が掛かるので痛くなりやすい状態になるでしょう。つまり、初めてマウスピースを装着した際は、痛みを感じやすいです。

これは、マウスピースを取り替えた時にも同じことが言えます。総じて、新しく装置を取り付けた時に発生しやすいものだと覚えておきましょう。

アタッチメントによる痛み

インビザライン矯正はマウスピースをより良く歯へと密着させ、治療効果を高める為の「アタッチメント」という部品が存在しています。

白くて小さい部品なので目立たないのですが、歯に装着して用いることから微弱ながらも突起物となるので、口内の粘膜を刺激するケースが考えられるでしょう。

上下の歯が触れた時に感じる痛み

歯列に力が加わると、それだけで違和感を覚えてしまう患者さんも存在しています。そして、その状態の時に上下の歯が触れたりすると痛いと感じるケースも。

食事や歯磨きの時にはマウスピースを取り外せるので、違和感なく過ごせるのですが、装着時の締め付けられる感覚がしている時は歯を噛み合わせたりすることに注意しましょう。

長期間放置していたマウスピースを着けた時

インビザライン矯正では1日22時間以上に渡って、マウスピースの装着が義務付けられています。そういった医師からの指示を守らず、治療に間隔が出来てしまうと問題が発生するでしょう。

なぜならば歯列には「後戻り」と言って、元の状態へと戻る習性がある為です。ある程度治療が進んでから放置し、後戻りを起こしているところにマウスピースを着けるのは、治療効果の面から見てもお勧めできません。

IPR(ディスキング)で歯を削った時

歯列を動かすスペースを生み出す処置として、IPR(ディスキング)と呼ばれる施術を行うケースがあります。これは、一本ずつの歯をわずかに削っていくことで歯を動かすスペースを作る手法です。

この手法による施術を受けた結果、歯茎が染みるような痛みを覚える場合があるでしょう。

インビザライン矯正中に痛い時の対処法

インビザライン矯正中に「痛い」と感じたら、どのような対策をすれば良いのでしょうか。基本的に自身だけで問題を抱え込まず、お世話になっているクリニックに相談することが大切です。

この項では、痛いと感じるケースごとに問題を切り分けた上で、その対処法を紹介しましょう。

アタッチメントの突起で傷つく場合

アタッチメントによって口内に傷がついてしまうと痛みを感じるでしょう。ひどい場合は炎症になってしまうので、しっかりと対策をしなくてはなりません。

まず「矯正用ワックス」と呼ばれる粘土のようなもので突起をカバーしましょう。そうした上で、傷口に塗り薬を塗り、様子を見るようにします。

マウスピースを新たに装着した際の痛み

先にも述べましたが、一般的に1週間もすれば痛みや違和感が消えていくはずです。ただし、その期間を超えて痛む場合は注意が必要です。

鎮痛剤を服用して痛みを抑えつつ、なるべく早めにクリニックへと足を運び、口内の状態を医師に診てもらうようにしましょう。

IPR(ディスキング)で歯が染みる場合

エナメル質の表面をわずかに削るだけなので、基本的にトラブルとなりにくい処置ではありますが、まれに「痛い」や「歯が染みる」という感覚に襲われる患者さんがいます。

その際は、知覚過敏に効果のある薬剤を塗布します。また、歯を守る効果のあるフッ素を塗りつける場合もあるでしょう。染みる原因となっている箇所をカバーすることで、症状の改善が見込めます。

まとめ

以上、インビザライン矯正で痛いと感じることをワイヤー矯正での痛みと比較し、どんな時に問題が発生しやすいかについて触れ、その対処法を解説しました。

痛い思いをするということは、それだけ治療の効果が出ている証拠になる場合と、そうでないケースに分けられるでしょう。

矯正治療を受けるにあたって、今回紹介したような知識を正しく持っておくと「これが理由で問題が起きているのだな」と理解できるので、随分と気が楽になるはずです。

当院では、カウンセリングやセカンドオピニオンの場を設けていて、患者さんに正しい知識をシェアする体制が整っています。歯列のことで悩みをお持ちの方は、ぜひ一度相談にお越しください。

                                

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