インビザラインにもデメリットはある!最適な矯正治療を選ぶために知っておきたいこと

インビザラインにもデメリットはある!最適な矯正治療を選ぶために知っておきたいこと

最新の治療法ということで、その長所ばかりが強調されているインビザラインですが、デメリットが存在していることは否定できません。

患者さんにとって大切なことは、その治療法の良い部分と悪いところを踏まえた上で、適切な治療を選択することです。

私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、インビザラインによる数多くのマウスピース矯正治療を行っています。

その為、インビザラインにどのようなデメリットがあるのかを知ることは、理想の歯列を手に入れる上で良い参考になるでしょう。今回はそのようなテーマで話を進めていきましょう。

インビザラインのデメリット5つ

インビザラインはマウスピースを用いた最新の治療法なので、良い面ばかりが強調されていると感じます。実際のところは、どのような治療法にも短所が存在すると言えるでしょう。

この項では、インビザラインでの治療におけるデメリットについて代表的なものをピックアップし、解説しましょう。

アタッチメントが外れてしまう

インビザラインはマウスピースだけで治療できるケースもありますが、矯正する力を高める為に歯列とマウスピースを密着させる「アタッチメント」を取り付けることがあります。

これは3~5mm程度の四角形や円形をしたプラスチック素材の小さな部品のことです。歯の表面に接着して取り付け、必要が無くなれば取り外すことになります。

これが不意に外れてしまう場合がある点に注意が必要です。歯列に適切な力を加える為のものですから、外れた場合はクリニックで再び処置をしてもらう必要があるでしょう。

噛み合わせが狂うことがある

歯が埋まっている土台には「歯槽骨」と呼ばれる骨が存在しています。この骨の部分は、歯に力が加わるとその方向の骨にスペースが出来てそこに歯が移動する習性があります。

インビザラインのマウスピースは薄いものですが、歯を噛み合わせた時にコンマミリ単位の厚みを噛み合わせることになるでしょう。それが垂直方向へ歯に力を加え、歯槽骨が歯を吸収するケースがあるのです。

そうなると噛み合わせに異常の無かった箇所において、歯が吸収される事態が発生します。結果として治療後に噛み合わせが狂っている部位が生まれる恐れがあるのです。

抜歯や歯を削ることがある

患者さんの口内の状態によっては、健康な歯を抜いて歯を動かすスペースを作り出す場合があるでしょう。健康な歯を抜くことに抵抗感を持つ人も少なからず存在しています。

また「ディスキング」といって、歯列全体をわずかに削っていくことでトータルで歯1本分くらいの隙間を生み出し、その空間を利用して歯並びを整える治療法を採用する場合もあります。

これも健康な歯を削るということで、そのことを嫌う患者さんが存在しています。このように自身の歯列によっては、健康な歯を抜いたり削ったりする必要があることを覚えておきましょう。

マウスピースを作り直すことがある

インビザラインは一度歯型を取るとそれをデータ化し、それに基づいてアメリカでマウスピースが制作されます。それらをまとめて医院へと送付し、医師から患者さんに手渡されるのです。

そのように、マウスピースを段階的に取り替えて理想の歯列を実現する治療法ですから、動いた歯に対してマウスピースの効果が出ないケースがまれに発生します。

歯が想定していた以上に動くことによって、マウスピースとの隙間が広がり思うように治療が進まないことも考えられるでしょう。その時には再び歯型を取るなどの処置が必要になります。

ワイヤー型より期間が長くなる場合がある

ワイヤー型を用いて矯正するよりも治療期間は短くて済むという点も、インビザラインのメリットとして紹介されています。しかし、それは治療がうまく進んだ場合のみの話と捉えておいてください。

治療方針と治療結果がズレてくると、それを歯科医で調整する手段はありません。つまり何か問題が発生する度に、歯型をとってアメリカから修正された器具が届くのを待たなくてはならないでしょう。

そういったやり取りによって生まれるタイムラグを考えると、歯科医が自身の手で思い通りに調整できるワイヤー型での矯正の方が短期間で済むケースが考えられます。

インビザライン矯正に向かない人とは?

当院診療風景

インビザラインがいくら最先端の治療法だと言っても、デメリットがあることを分かってもらえたと思います。そのことは、相変わらず他の治療法が存在していることからも理解できるでしょう。

この項では、どういった人に対してこの治療法が不向きなのかについて解説しましょう。

歯列の状態が不向きな人

最新の治療法ながら苦手とする症状が存在しています。どのような歯列に不向きなのか具体的に言いますと、重度の出っ歯や受け口、叢生というものには、この治療法は向いていません。

出っ歯や受け口はその度合いが実に様々なのですが、骨格に異常が見られる場合はインビザラインだけで治療することは不可能です。

また歯列の収まっているU字型の土台に対して、歯のサイズが大きいことにより、お互いの歯がひしめき合うように生えてしまう叢生も、その度合いがひどい場合はこの治療法で治すことは難しいでしょう。

注意点を守れない人

ワイヤー型と違ってマウスピースは取り外せます。一見したところ便利に感じるかも知れませんが、その装着時間は1日22時間以上と厳密に決められていて、それを守らないと思うように治療が進まないでしょう。

また、この治療法は7〜10日の間隔でマウスピースを取り替えていくことになります。クリニックからはまとめてマウスピースを手渡される為、その管理は自身でしっかりと行わなくてはなりません。

さらに、食事の際には取り外すことになるのですが、食片が残った状態でマウスピースを装着しても思うように矯正の力が働かない為、食後には必ず歯磨きを行うことを徹底する必要があります。

このように装着時間やマウスピースの保管、さらには歯のメンテナンスまで、自己で守るべき注意点が多いことを覚えておきましょう。

デメリットに勝るインビザラインの魅力

当院受付風景

主にデメリットの面について解説してきましたが、インビザラインにはそれにも勝るメリットがあります。世界的な規模でこの治療法が広がっていることも、そのことを証明しているでしょう。

ここでは、この治療法ならではの魅力について説明しましょう。

矯正をしていることがバレにくい

使用するマウスピースは無色透明で、取り付けるアタッチメントも白色といったように、装置が目立ちにくくなっています。それにより、矯正していることが分かりにくいと言えるでしょう。

営業職などで取引先のクライアントと顔を合わせる必要のある方などは、ビジネスマナー上、自身が矯正していることを知られたくないと考えている人も少なくありません。

そういったケースにおいても、相手に治療中であることが気付かれない為、矯正のことを気にせず接することが出来るでしょう。

痛みをほとんど感じない

7~10日間に一回の割合でマウスピースを取り替えていくので、一枚のマウスピースが歯列に加える力は非常に微量だと言えるでしょう。

その為、ワイヤー型の矯正と比べて痛みや違和感を感じづらいのが、大きな魅力と言えそうです。また、マウスピースの表面はツルツルとしているので、口内の粘膜を刺激することもありません。

その為、口内炎などの発生に悩まされることもほとんど無いでしょう。

通院回数を減らせる

ワイヤー型の矯正治療を受けている人は月に一度のペースで通院しなくてはなりません。しかしインビザラインを用いた治療ならば、クリニックへの通院は2~3ヶ月に一度のペースまで抑えることが出来るでしょう。

仕事が忙しくてスケジュールを組むことが難しい人でも、通院間隔が広くて回数も少なく済ませられる点は嬉しいに違いありません。

取り外せるので口内を清潔に保てる

矯正治療全体のデメリットとして、口内環境の悪化から虫歯や歯周病を発症すると、そちらの治療を優先するために矯正がストップすることが挙げられます。

しかしこの治療法ならば、食事や歯磨きの際にはマウスピースを取り外せるのです。つまり歯のメンテナンスをしっかりと行えるので、口内環境を清潔に保てるでしょう。

 


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矯正治療を始めようとひそかに決心したとき、医院選びにはとても迷うと思います。

医院選びにあたり、経験豊富な矯正歯科専門クリニックであること、通院しやすいこと、治療費や支払方法が明確でリーズナブルであること、はまず大事な要素だと思います。それ以上に、医師やスタッフが要望を十分に聞いてくれて、治療方針や器具や費用についてきっちりと説明してくれるうえ、それらに説得力があり、信頼関係を構築できるかどうかが大事だと思います。

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まとめ

以上、インビザラインのデメリットについて紹介し、どういった人が不向きなのかという点に触れた上で、この治療法の魅力について解説しました。

どのような治療法でも負の側面は存在しています。それらを知っておくことは適切な治療を受ける為の近道となるでしょう。

正しい知識を手に入れると、矯正に対する自身の選択肢は増えてくれるものです。そして、当院でも患者さんにとってベストな治療法の提案を行っています。悩み事のある方はぜひ一度、相談にお越しください。

                                   

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なお、歯型取りは歯科専門用語で「印象採得」といいますが、ここでは一般的で親しみやすい「歯型取り」で進めます。

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