セラミック矯正を選ぶ人の特徴は?治療を始める前に知っておきたい基礎知識
皆さんは「セラミック矯正」と呼ばれる治療法をご存知でしょうか?歯を動かすことなく、セラミックの被せ物をして見た目を美しくする治療法のことです。
なぜこんな名前がついたのか、矯正歯科医としての立場からは、歯を動かさないのに「矯正」と名前が付いている点に憤りを禁じ得ません。しかし、セラミック矯正は歯列矯正のように長い治療期間や目立つ装置を付けることなく綺麗なルックスを実現できる為、一定の需要があることもまた、確かなことでしょう。
今回はこのようなテーマについて深く掘り下げてみましょう。
そもそも「セラミック矯正」とは?
「セラミック矯正」というのは、一般的に認識されている歯列矯正のように歯を動かす治療ではなく、セラミックの被せ物をする治療です。全く矯正治療とは異なります。
当然のことながら歯を動かす装置を取り付ける必要もないので、見た目を良くする「審美治療」とも言われています。この治療法の簡単なメリット・デメリットを紹介しましょう。
セラミック矯正のメリット
歯を削って被せ物をするだけなので、非常に短期間で見た目が綺麗に整うでしょう。また、矯正治療で用いる装置を取り付ける必要もないので、見た目が気になることもありません。
また装置を付けないということは、矯正力に伴う痛みも無いという点が挙げられるでしょう。そして、矯正治療に比べると治療にかかる費用をある程度下げることが可能な場合もあります。
白く綺麗な歯を手軽に実現でき、形や大きさも自在に調節できます。そのような処置を複数の歯に施せば、歯並びも綺麗に見せることができるでしょう。
セラミック矯正のデメリット
セラミックを綺麗に被せるためには、ご自身の健康な歯を削る必要があります。また、場合によっては神経を抜く処置を要する場合もあります。そうなると歯の神経や血流が無くなり、歯の寿命が短くなる可能性があることも。
また、歯を削る際に痛みを感じますので麻酔注射をします。そして、治療を終えた数週間後まで、水など冷たいもので歯がしみるパターンが考えられます。
さらには、自身の歯と被せ物との間に段差が生まれやすく、そこに汚れが溜まって虫歯や歯周病になってしまうケースもあるでしょう。
そもそもセラミックの被せ物をするだけなので、乱れた歯列を根本的に治すものではないことを覚えておかなくてはなりません。
セラミック以外の歯列矯正について紹介
セラミック矯正ではない歯列矯正がどういったものなのかというと、専用の器具を装着して歯列に力を加え、理想的な位置にまで歯を動かす治療法になります。
歯列にワイヤーで力を加える「ワイヤー矯正」と、マウスピースを定期的に取り換えながら段階的に噛み合わせを移動させて歯を動かす「マウスピース矯正」の2通りが、主な治療法だと言えるでしょう。
セラミック矯正と比較した際にメリットとして考えられるのは、やはり自分の歯をむやみに削ることなく適切な状態にできるという点に尽きます。
ここでは、そんな歯列矯正に伴うメリット・デメリットについて紹介しましょう。
歯列矯正のメリット
一つ目のメリットとしては歯の噛み合わせが悪い為に、見た目のコンプレックスを抱えている人の悩みを根本的に解消し、人前でも笑顔になれる点です。
また、噛み合わせが適正になることで、これまで噛み合う箇所だけで食べ物を咀嚼していた状態が改善されて、歯列全体で噛む喜びを感じることが出来るでしょう。
総じて、健康な歯を犠牲にすることなく、理想的な位置に歯を移動させることによって、さまざまな恩恵を得ることが出来るでしょう。
歯列矯正のデメリット
歯が動く原理は、微弱な力を加え続けることで、ゆっくりと理想的な位置まで動いていくものです。そのため、治療に時間がかかり1〜3年の期間を要します。
また、器具を装着した際に痛みや違和感を感じるケースがあるでしょう。痛みは装着から3日間~1週間程度感じることがありますが、徐々に治まります。ワイヤー矯正となると、一度取り付けた装置は矯正治療期間が終わるまで外すことが出来ない為、慣れるまで違和感があるかもしれません。
そして、不慣れな装置が口内に収まることで、歯磨きといった歯の手入れを手間に感じることも。歯の手入れを疎かにすると、汚れが溜まって虫歯や歯周病になるケースも考えられるので注意が必要です。
歯列矯正の治療法別おすすめポイント!
セラミック矯正は歯列矯正とは全く異なるもの。その点はさておき、この治療を受けたい場合は「矯正歯科」ではなく「一般歯科」や「審美歯科」と呼ばれるクリニックを選ぶと良いです。
それとは別に、実際に歯を動かす歯列矯正に話を絞ったとして、それらにはいくつかの治療法が存在していますが、大別すると「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」に分かれます。
これらの治療は一般歯科でも取り扱っているのですが、矯正治療の専門性を備えていない為、注意が必要です。やはり、専門の「矯正歯科」で治療を受けると良いでしょう。
ここでは歯列矯正の代表的な治療法をピックアップし、それらのおすすめポイントを紹介しましょう。
ワイヤー矯正のおすすめポイント
それぞれの歯に「ブラケット」と呼ばれる部品を取り付け、ワイヤーを通して力を加える治療法です。歴史がある治療法なので、ノウハウがしっかりと確立されている方式だと言えるでしょう。
また、さまざまな歯列の状態に対応できる懐の深さも、この治療法の特長です。抜歯をして歯を大きく動かすような治療から、部分的な矯正まで幅広く対応してくれます。
その為、歯並びの乱れがひどい人で、その状態を根本的に解消したいと考える人にお勧めできる治療法と言えそうです。
マウスピース矯正のおすすめポイント
複数のマウスピースを段階的に取り換えて、理想的な状態にまで歯を動かしていく方法になります。固定式のワイヤーとは異なり取り外しが出来る為、食事や歯磨きの際にも不便さを感じません。
また、透明の樹脂で出来ているので装置が目立たず、矯正していることが周囲に分かりづらくなっています。良いこと尽くめに感じる治療法ですが、歯を大きく動かすような治療は出来ない点を覚えておきましょう。
これらのことから、歯列の乱れが比較的軽く、その状態を目立たないように完治させたいと考えている人にピッタリな治療法と言えます。
まとめ
以上、セラミック矯正について紹介し、それ以外の歯列矯正について触れ、治療法別のおすすめポイントについて解説しました。どの治療法も一長一短あるので、自身に合ったものをセレクトすると良いでしょう。
特に多忙な日々を送る人で「歯列矯正にお金も時間も掛けることが出来ない」と考えている方にとっては、セラミック矯正も選択肢に入ってくるかと思われます。
当院では、歯列のことで悩みがある方の相談を受け付けています。どんな些細なことでも迷うことがあるなら、ぜひ一度お越しください。
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