噛み合わせの治し方は一つじゃない?治療方法を決めるために症状と検査内容を深堀りする!
噛み合わせに不具合を感じている人のなかには「どこでどのような治療を受ければ良いの?」と、その治し方が分からない人もいるでしょう。
不具合を感じている原因は実に多様であり、それぞれに合った方法で治療を受けないと、治療効果が見込めないのです。
「確かに噛み合わせが悪い実感がある」といった感覚を抱いている人が多くても、その解決策を知っている人は少ない、というのが現実なのでしょう。
私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、数多くの矯正治療を行っています。ここをご覧下さる方の多くが、歯並びに何らかのお悩みをお持ちだと思います。私は全ての方の歯並びのために矯正歯科治療が必要だとは考えておりません。
ただ、明らかに治療が必要な、日常生活や対人関係に支障をきたす歯並びや咬み合わせをお持ちの方もいらっしゃいます。そのような方にとっては矯正歯科治療をすることには様々なメリットがあります。見た目の印象がより良くなるだけではなく、口腔内の環境や体全体にも良い影響があると考えられます。
今回はそのような人に向けて、自身に合った治療方法を見つけられるよう、この問題について詳しく見ていきたいと思います。
噛み合わせは症状によって治し方が違う!
噛み合わせが良くないと言っても、その原因は様々であり、原因によって治し方が異なってきます。どういった症状を感じているか考えてみて、その症状に合わせた治療法を選ばなくてはなりません。
自身の状態によっては、受診する診療科が変わってくることもある為、まずはどのような症状を抱えているのかをしっかりと把握しましょう。
このように、ある程度「どこに原因があるか」という当たりを付けるだけでも、通うべき病院を絞り込むことが出来るはずです。
以下に考えられるケースをいくつかピックアップしてみました。自身の症状と照らし合わせてみることをお勧めします。
歯ぎしり:歯の擦り減り
歯の皮膜になっている「エナメル質」というのは、人体のなかでも最も硬い組織として知られています。しかし、歯ぎしりをすることによってエナメル質が擦り減り、内部の象牙質が出てくる状態は危険です。
歯の擦り減りが原因で噛み合わせが悪くなった場合は、摩耗して平たくなってしまった歯の形を元通りにするような治し方を採用すべきでしょう。
歯科および口腔外科で治療を受けると良いですが「噛み合わせ外来」という科を持つ病院も存在しています。
歯並びの悪さ:歯周病
物を噛むとなんとなく痛みを感じている状態から、症状が進むと歯が揺れるようになり、歯茎が腫れてしまう場合は歯周病を引き起こしていると考えられるでしょう。
歯並びが悪くて歯がうまく噛み合わない結果、歯周病になる患者さんも数多く存在しています。その場合、歯列を改善させる必要があるでしょう。歯周病は一般歯科で、歯並びは矯正歯科に診てもらうと良いです。
顎のずれ:顎関節症
歯を噛み合わせる度に顎の関節がポキポキと音を立てたり、口を大きく開けられない人は、顎関節症の疑いがあります。放置していると噛み締める際に痛みを感じてしまうこともある為、注意が必要です。
上顎と下顎の位置関係が前後左右、いずれかの方向にズレていると歯が正しく噛み合ってくれません。症状が重い場合は外科的な処置を必要とします。
歯科および口腔外科が治療に当たってくれますが、顎関節症の専門外来を備えた病院もあることを覚えておきましょう。
噛み合わせを治すために必要な検査とは
「なぜ噛み合わせが悪いのか」という理由を探る為に、医師は検査を行なってから治療計画を立てます。症状に合わない治療法を選択しても意味がないので、検査はとても大切だと言えるでしょう。
また、見当違いのお医者さんのもとを訪ねたとしても、医師は適切に診断した上で、それを専門とする診療科を紹介してくれることも多々あります。
ですので「何科に行けば良いか分からないし面倒だ」といったように、診察や検査を受けないでやり過ごそうとすることが、最も良くないことだと覚えてきましょう。
そのことを踏まえつつ、この項ではどのような検査があるのか紹介しましょう。
カウンセリング
カウンセリングは自身の症状を医師に伝える大切な場です。患者さんの訴えを聞いて、医師は自身の見解を組み立てて、さらに問診を重ねて口内で引き起こされている症状を絞り込んでいきます。
また、実際に口内を診てみることで、患者さんがどういった口内環境なのかを把握します。その結果、どのような治し方が必要になるかを明確に説明してくれるでしょう。
レントゲン
歯列のチェックから、顎の位置などの骨格を調べる為にレントゲンを撮影します。歯列の乱れが何に起因しているのか把握でき、患者さんに合わせた治療方針が導き出されるでしょう。
矯正歯科では、このレントゲン写真を基にした「セファロ分析」というものが行われ、患者さんのどこに問題があるのかを正確に把握できるのです。
顎関節
下顎を開閉運動させた時に異常がないかチェックしたり、前後に下顎をズラす運動や、側方への動く量を調べて、顎関節に問題がないかをチェックします。
顎は、筋肉や関節、神経といった多くの組織が入り組んだ複雑な機能を果たしています。そこに不具合がある状態を放置するのは危険だと覚えておきましょう。
筋肉
口の周囲から首、肩へと筋肉の状態を触診で調べ、異常な張りがないかチェックします。また、左右で筋肉のつき方に極端な差がないかも調べます。顎がズレている人は、この触診で痛みを感じるケースがあるでしょう。
顎が左へとズレてしまっている患者さんは、左の筋肉が強ばりやすくなっています。その結果、触診で左側の筋肉に痛みを感じるのです。
噛み合わせの治し方を紹介
歯がうまく噛み合ってくれない原因は実に多様です。それだけに、対応する医療機関も他の専門的な医院と一緒になって治療に当たるケースも珍しくありません。
筋肉の問題なのか、関節なのか、もしくは神経なのかといったように、噛み合わせによって不具合が及ぶ分野は非常に幅広いので、そのような体制になるのです。
ここでは、噛み合わせの治し方を紹介する為に、いくつかの原因に分けて、それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。
生活習慣や癖の見直し
片側だけで噛んだり、頬杖をついたり、うつ伏せで寝たりといったように、身に付いてしまった癖で噛み合わせが狂ってしまうケースがあります。
一度自身の習慣を振り返ってみて、自身の状態を悪くしている癖が付いていないか、客観的に見てみましょう。悪い癖が見つかったならば、それを改善するように努めると良いです。
咬合再構成
虫歯や歯周病で歯を失ったり、噛み合わせに不具合が生じた状態を審美的・機能的に元の状態へ戻す治療を「咬合再構成」と言います。
虫歯治療で詰め物や被せ物をした際、それが原因で不具合を生じた場合は適正な状態へ戻します。また、歯を失ったケースではインプラントを行うなど、総合的な治療が行われるでしょう。
歯列矯正
歯がうまく噛み合ってくれないと感じる原因が歯並びにある場合は、歯列矯正で乱れた歯並びをきれいに整える治療を行います。
症状の重さにもよりますが、歯列全体を矯正する場合は1~3年もの長期間に渡って治療が継続します。その間、専用の器具を装着し続ける必要がある為、患者さんにも忍耐が要求されるでしょう。
ユニゾン矯正歯科銀座6丁目なら「歯列矯正の必要性」について相談可能!
当院では全ての方の歯並びのために矯正歯科治療が必要だとは考えておりません。矯正治療をしなくても特に支障がない場合はそのように伝えるようにしています。
しかし、矯正治療が必要な症例や、矯正治療の効果が大きい症例が数多く存在することも事実です。
歯並びを治すことによって、きれいな歯並びを手に入れるだけでなく、歪んだように見える顔立ちや口元の雰囲気まで改善できる場合があります。見た目の印象がより良くなるだけではなく、口腔内の環境や体全体にも良い影響があると考えられます。歯列矯正をしたことで性格がますます明るくなり、心にもいい影響があったと思われる方が多いのも事実です。
ご自身の歯並びの問題を、歯列矯正によって改善できるのかどうか、初診相談を受けて、知ることから始めませんか。
まとめ
以上、噛み合わせは症状によって治し方が違ってくることを紹介し、必要となる検査について触れ、具体的な治療方法をいくつかピックアップしました。
噛み合わせは頭部のバランスに大きな影響を及ぼします。そこが乱れると、首や肩、さらには腕や腰といったように、下の部位で平衡感覚を取ろうとします。
つまり、全身に影響を及ぼす可能性があるだけに「噛み合わせくらいの問題で」と軽く見ることは危険だと言えるでしょう。不具合を感じている人にとって、その原因が一つではないこともこの症状の難しい点です。
当院ではそのような人に対して、矯正歯科の立場から明確な診療を行なっていますので、悩んでいる方はぜひ一度相談にお越しください。
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