歯列矯正は口内炎ができやすい?口内炎の原因と痛みを減らす対処法を紹介!

歯列矯正は口内炎ができやすい?口内炎の原因と痛みを減らす対処法を紹介!

「歯列矯正の器具には慣れてきたけど、同じ部位ばかりに口内炎ができてツラい」といった方は多いのではないでしょうか。

歯並びを治す為とはいえ、あまりに症状が続くようだと、痛みで気分が沈みがちになってしまう患者さんもいるはずです。

どうして矯正の器具を装着することによって、口内に炎症ができるのでしょうか。そのメカニズムを正しく把握すれば、問題の対処法が見えてくるでしょう。

今回は矯正器具がもたらす口内炎の問題について考えてみましょう。

歯列矯正中に口内炎ができる原因とは?

口内炎とひとことで言っても、様々な種類があります。なかには歯列矯正に用いる器具が原因でできてしまう場合もあるでしょう。

ここでは、矯正中に炎症が起きやすい理由について述べるとともに、発生原因の異なる多様な口内炎の種類について紹介しましょう。

矯正器具によるもの

ブラケットやワイヤーなどが口内の粘膜に当たると、そこに傷ができることで炎症が引き起こされてしまうのです。これは「カタル性口内炎」とも呼ばれています。

唇側からの矯正だと頬の内側に、舌側からの矯正だと舌に口内炎ができてしまうでしょう。矯正治療の初期に発生しやすく、しばらくすれば収まっていきます。

その他の理由によるもの

まず、疲労やビタミン不足によって発生してしまうケースがあります。最も身近な症状であり、誰もがなる可能性があるものでしょう。

そして、カビの一種であるカンジダ菌が繁殖することで発生するケースも考えられます。入れ歯をしている人が引き起こしやすいとされています。

また、クラミジアやヘルペスといったウイルス性のものもあるでしょう。かゆみが出てしまうパターンがあることが特徴です。

さらに、金属アレルギーの人が発症してしまうケースも考えられるでしょう。歯の被せ物などの金属が口内に触れることで炎症が起きるのです。

歯列矯正の痛みを減らす口内炎対処法

ある意味、歯列矯正とセットになってしまっている口内炎ですが、対処法があるのかと問われれば答えはズバリ「ある」と言えるでしょう。どのような手段があるのか、以下に挙げてみます。

矯正用ワックス

歯並びの乱れから、一部分だけブラケットなどが突起していることで、同じ場所にばかり口内炎が起きてしまうことがあります。そのようなときに有効なのが「矯正用ワックス」と呼ばれるアイテムです。

使い方ですが、粘土のようなものなので、まずは適度なサイズに手で千切りましょう。それを丸めて炎症の原因となっている箇所のブラケットおよびワイヤー、もしくはマウスピースに取り付けます。

取り付ける際に水分があるとうまく引っ付いてくれない為、取り付けたい部分の水気を切った上で使用すると良いでしょう。突起の部分をカバーすることで粘膜を痛めることを回避できます。

器具の調整

矯正用ワックスを用いても症状が緩和されない場合は、器具自体を調整することも選択肢に入ってきます。その為、あまりに長い期間に渡って同じ箇所に口内炎ができる場合は、クリニックで相談しましょう。

ワイヤー型矯正に比べて炎症の起きにくいマウスピースに切り替えるなどの対応をしてくれるので、一人で問題を抱え込まずに迷わず受診することをお勧めします。

市販薬

市販されている痛み止めで一時的にツラい痛みを避けることができるでしょう。それだけでなく、炎症を鎮める効果のある市販薬はたくさんあります。

軟膏タイプのものや、絆創膏のように患部に貼り付けるものだったり、口内の奥まで届くようにスプレータイプとなっているものなどがあります。

また「薬に頼るのは避けたい」と考えている人には、蜂蜜をお勧めしたいです。炎症を鎮める殺菌作用が働いて、痛みを緩和してくれます。

刺激の少ない食事

口内にできものがあるのに香辛料がたっぷりと入った食事を摂ると、傷口がしみて痛いだけでなく、症状がさらに悪化する可能性があるので注意が必要です。

また、フルーツでも柑橘系のものはしみて痛いはずです。そのようなものは避けて、刺激の少ない食事に切り替えることを心がけましょう。

そして、噛みごたえのあるものよりは柔らかい食べ物で、あまり噛む必要のない食事が良いです。

口内炎を早く治す・つくらないために

歯列矯正中に口内炎をつくらない為に、自身で心がけるべきことがあるかと問われると「ある」と言えるでしょう。また仮に炎症ができてしまっても、そこからの回復を早める方法もあるのです。

それらは一体どのようなものか、この項で解説しましょう。

口内をクリーンに保つ

矯正器具を装着したての頃はどうしても違和感を抱いてしまい、歯磨きが思うようにできない問題が出てきます。そうすると口内で菌が増殖し、炎症の原因となってしまうでしょう。

そうならない為には、隅々までブラシを行き渡らせるよう、歯磨きを丁寧にする必要があります。また洗口液には、細菌の繁殖を防ぐものもあるので、歯磨きと併用すると良いでしょう。

このように、普段以上に口内環境をクリーンに保つことを意識付けることで、歯列矯正による口内炎を防ぐことができます。

ストレスや睡眠不足を解消する

私たちの多くは「ストレス社会」と呼ばれる環境に身を置いていますが、だからこそストレスを解消する自分なりの手段を持っておくことが大切になってきます。また、睡眠不足も問題です。

何故ならば、ストレスを抱えたり睡眠不足の生活が続くと、体の免疫力が落ちてしまい口内炎を発症しやすくなってしまうからです。体の免疫効果を高めることが、口内炎を予防する手段であると覚えておきましょう。

バランスの取れた食事を心がける

特にビタミンBやビタミンA、ビタミンCの欠如が口内炎とつながりのある原因とされています。それらをバランスよく積極的に摂取することが大切でしょう。

ビタミンBはビタミンB6とビタミンB2に分かれますが、チーズや納豆、バナナやマグロなどの食べ物を積極的に摂りましょう。

また、ビタミンAならば人参やレバー、ビタミンCならばトマトや緑黄色野菜などを摂取すると良いです。そうすることで、症状を未然に防いでくれるだけでなく、回復力も早めてくれるでしょう。

まとめ

以上、歯列矯正によって口内炎ができる原因について説明し、対処法を提示しました。また、未然に口内炎ができるのを防ぐ方法についても解説しました。

「ツラい痛みに悩んでいる」といった患者さんはとても多いことでしょう。そういった方には、迷わずクリニックを受診してほしいと思います。

当院では、歯列矯正中に出てくるあらゆる問題に対処できる準備ができています。治療を検討している方から、すでに治療中の患者さんまで、悩み事のある方はぜひ一度お越しください。

                           

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