前歯だけの部分矯正でも劇的に変化する！気になる歯だけ矯正する治療法とメリットとは？

「矯正しようと思うけど、大掛かりな装置を付けるのが大変そう」と悩んでいる方もいることでしょう。そういった方のなかには、気になる部分だけを矯正する「部分矯正」で何とかなるケースもあります。

例えば「前歯の生え方が気になって仕方ない」という患者さんは、前歯だけを部分矯正することで歯並びが整う場合があるということです。

歯列全体を矯正することに比べて治療期間がグンと短く済むことから、周囲に気付かれない間に手っ取り早く治療を終えてしまう人も存在しています。

私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、数多くの矯正治療を行っています。部分矯正が適用できる症例であれば、部分矯正には費用を安く抑えられ、治療期間も短いというメリットがあります。その反面、噛み合わせを改善させることができない点がデメリットとして挙げられるでしょう。

今回は部分矯正をするのに適した歯列について考え、治療法を紹介します。また部分矯正ならではのメリットについて見ていきましょう。

歯の矯正と聞くと、即座に大掛かりな装置を口内に装着したイメージが浮かび上がるかも知れません。

なぜ「大掛かりで大変そう」と感じるかというと、歯列全体を動かす「全体矯正」と呼ばれる治療を思い浮かべているためです。しかし、気になる部分だけを矯正する方法もあります。

それが「部分矯正」と呼ばれるもので、前歯などの気になる箇所だけに器具を装着して歯列矯正を行う手法です。どのような症状に対して有効なのでしょうか。

上顎の歯列が前方へと出ている状態を「出っ歯」と言います。歯の突き出しによって口元が盛り上がった顔立ちになるケースもあり、見た目で悩む人も少なくありません。

出っ歯になるのは主に3種類の理由が考えられます。一つ目の理由としては、歯自体が前方へと角度が付いて生えているケースです。角度の付いた歯を綺麗に整えることで治療が完了する為、部分矯正で治せる確率が高くなります。

他には、上顎自体が前方へと突出している出っ歯と、上顎に対して下顎が引っ込んでいる為、相対的に出っ歯となるケースです。
これらの症状に対しては、歯列全体の噛み合わせを整える必要がある為、部分矯正は有効ではありません。

「受け口」とは出っ歯の反対で、下顎の前歯の方が上顎の前歯よりも前方に出てしまっている症状のことで「しゃくれ」とも呼ばれています。

受け口には骨格が原因になっているものと、歯並びが原因になっているケースに分けることが出来ます。骨格が原因ならば外科的な手術が必要になるでしょう。

しかし歯列が原因になっているパターンで、上側の前歯に働きかけるだけで済む場合は、部分的な矯正によって治せるのです。

歯は歯槽骨と呼ばれるU字型の土台の上に並んで生えています。このU字型のサイズは顎の大きさと深く関係しているのです。

顎が小さいことで土台であるU字型が小さかったり、土台に対して歯のサイズが大き過ぎたりすると「叢生」という歯並びになりやすいです。

土台に収まり切らない歯がひしめき合うように生え、歯並びが乱れることを「叢生（そうせい）」と言い、とりわけ犬歯が外側へとはみ出すことを「八重歯」と言います。

歯がひしめきあう度合いがひどくなく、一部分のみの症状の場合は、部分矯正で治すことができるのです。

歯の間に隙間ができてしまっている症状のことを「すきっ歯」と言います。歯の土台である歯槽骨に比べて歯のサイズが小さかったり、生える予定だった歯が生えてこないことで引き起こされるでしょう。

遺伝が原因として考えられるケースの他に、指しゃぶりをしたり爪楊枝を過度に使うなど、日常生活で身に付いた癖によっても引き起こされます。

このようなすきっ歯には2種類の呼び方があります。まず、部位を問わず歯間に隙間が出来ることを「空隙歯列（くうげきしれつ）」と呼ぶのです。

もう一つは前歯2本の真ん中に隙間ができるケースで、これを「正中離開」と呼びます。隙間を詰める治療を行う上で、歯列全体ではなく特定の部位だけが空いている場合は、部分矯正で治る場合もあります。

「オープンバイト」とは上下の歯を噛み合わせた時に、奥歯だけが噛み合い、上下の前歯は開いてしまっている歯列のことです。

上顎と下顎の成長に違いがあったり、幼い頃に舌の筋力が不足していたことなどが原因として考えられます。発音しづらかったり食べ物を前歯で噛み切れないといった不便さを伴うでしょう。

顎の骨格が原因である場合は外科的な手術を必要とします。しかし歯列に問題があり、前歯だけが噛み合わない場合は、部分矯正で治療できるケースもあるでしょう。

前歯だけの矯正など、部分矯正で歯並びが整うと診断された人は、とてもラッキーだと言えるでしょう。

なぜならば、全体矯正と比べて部分矯正は、治療期間や費用などが全然違ってくるからです。短期間かつ費用をグンと抑えて綺麗な歯列が手に入るならば、矯正治療を受けることも視野に入ってきますよね。

ここでは部分矯正で治療を済ませられることのメリットについて解説しましょう。

何と言っても治療期間が短い点は見逃せません。全体矯正の場合、最長で3年もの月日を要するところを半年～1年程度のスパンで治すことができます。

この治療に掛かる年月の違いを軽く見てはいけません。なぜかというと、装置を装着し続けるわずらわしさを短縮出来ることは、多くのメリットを得られるからです。

まず、装置を調節してもらうために通院する回数を減らすことができます。そして、治療していることをあまり知られたくない人は、心の負担を減らすことができます。

総じて、短い期間で乱れた歯列が整ってくれることは大きなメリットと言えるでしょう。

部分矯正で用いる装置は全体矯正のものより安価になっています。そのため、治療費もグンと抑えることができるでしょう。

なぜ安価に出来るかと言うと、まずは装置にかかる費用を安くできるからです。例えばワイヤー型の場合は、動かす歯の本数が少ない分だけ部品点数を抑えることが出来ます。

また、マウスピースでも働きかける歯の本数が少ないことで、装置に加える工数を減らせるので安価に。そして、治療期間が短いことで医師の手が掛からないこともコストを下げる理由になります。

歯列矯正は「美容目的の治療」と定められているために、保険が適用されません。そのため、掛かった治療費はすべて自己負担となります。そのなかにあって安価な部分矯正は魅力的と言えるでしょう。

全体矯正をする多くの患者さんが、矯正装置を付けた時に歯が浮いたような感覚を覚え、上下の歯を噛み合わせる時に痛みを感じてツラい思いをしています。

それに比べて部分矯正は、動かす必要のある歯の本数が少ないので、歯列全体に力を掛ける全体矯正と比べて痛みが少ないと言えるでしょう。

また、歯を大きく動かす必要がない軽症の患者さんに用いられる治療法である為、抜歯を必要としません。わずかに歯を動かすだけなので痛みも少なくて済みます。

これまでの項で、前歯だけを歯列矯正で整える方法があることを分かってもらえたと思います。ここではより具体的に、その治療法や注意点を挙げてみましょう。

この項では「前歯」にテーマを絞ってみましょう。前歯を部分矯正をするにあたっての代表的な治療法を紹介したいと思います。

マウスピースは取り外しができる為、食事や歯磨きのストレスを感じることなく治療を進められるでしょう。歯列全体を覆うようになっていますが、前歯だけに力が掛かるようになっています。

目標とする歯列へと前歯を持っていくために、複数のマウスピースを段階的に取り替えながら歯を徐々に動かしていきます。

主にすきっ歯や軽度の歯列の乱れに対して用いられ、治療に要する期間は数ヶ月から長くても1年以内といったところでしょう。

費用はおよそ46万円〜77万円ほどになります。

ワイヤー型装置を用いた前歯の部分矯正も、歯列全体に装置を装着することに比べると、はるかに手入れがしやすくなっています。

前歯だけを動かすので、ワイヤーの通り道となるブラケットは前歯だけにしか装着しません。一度装着すると治療が終わるまで外せないのですが、ブラケットが少ないため違和感も覚えにくいです。

ただし歯の表側にブラケットが装着するので、目立つことを嫌がる人も少なくありません。そういった場合は、透明のブラケットに歯と同色のホワイトワイヤーを用いて目立たなくする手法があります。

治療期間は数ヶ月で完了します。また、費用としてはおよそ22万〜88万円となっています。

どうしても装置を目立たなくしたい人には、裏側からブラケットを装着してワイヤーを通す手法もあります。歯が剥き出しになっても部品は裏側に隠れているので治療していることがバレません。

ただし歯の裏側は凹凸が大きいため、ブラケットをしっかりと密着させるには高い技術力が要求されます。その分だけ装置代が高くなることを覚えておきましょう。

治療期間は数ヶ月で済み、費用はおよそ88万〜121万円となっています。

全体矯正と同じく、歯を固定する為の保定期間があり、リテーナーという器具を装着することになるでしょう。この期間にしっかりと保定しないと、後戻りを起こす可能性が高くなるため、注意しましょう。

また、見た目だけでなく、治療後の噛み合わせにも気を配る必要があります。歯列が乱れているのは「噛む」という機能が正しく働いていないことを意味します。治療に入るにあたって、見た目だけでなく機能性がどのように回復されるのかも医師に尋ねてみましょう。

そして、お世話になる医院の選び方としては「日本矯正歯科学会」という組織が発行している「認定医」という資格を持つ医院を探すことをお勧めします。確かな技術を保証してくれる資格です。

歯並びを治すことによって、笑顔が綺麗になるばかりではなく、歯磨きがしやすくなり、滑舌やかみ合わせがよくなり、さらに口元の雰囲気や顔立ちまで改善できる場合があります。

自分に自信を持つことができるようになることが多いです。

どのような治療方法を選択することが可能なのか、歯並びをどのように改善できるのか、期間や費用を含めて知ることから始めませんか。

ユニゾン矯正歯科では、丁寧なカウンセリングを行ったうえで説明いたします。

上顎・下顎の位置関係や歯並びや歯の大きさや歯の傾きなどを確認し、同じ年代・性別の方々と比較してご自身のどこに問題点があるのか、そして、歯列矯正でどのように改善可能なのかどうか、を説明いたします。

以上、部分矯正が適した歯列を紹介した上で、矯正することのメリットに触れ、前歯だけを矯正するにあたっての治療法と注意点について解説しました。

「とにかく高額で手が出ない」といった方や「治療期間が長すぎて耐えられそうにない」といったことを理由に矯正を避けている人も多いでしょう。

しかし実際は、費用と時間があまり掛からない「部分的な治療」で、劇的にルックスが変わることもあり得るのです。

歯並びで悩んでいる方は一人で抱え込まず、クリニックに相談に行くことを強くお勧めします。当院もそのような患者さんに寄り添った治療を心がけているので、ぜひ一度お越しください。

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