歯列矯正でほうれい線が濃くなるって本当?出っ歯治療とほうれい線の関係・対策について

歯列矯正でほうれい線が濃くなるって本当?出っ歯治療とほうれい線の関係・対策について

「歯並びの乱れを治したらキレイに整ったけど、顔のシワが深くなったみたい」といったように、歯列矯正によって何となくほうれい線が強調されてしまったと感じる人もいることでしょう。特に出っ歯の治療をおこなった人のなかには、ほうれい線の変化を感じている方が少なくありません。

「ほうれい線ができてしまうなら、矯正はやめようかな」といった声も聞こえてきそうですが、実際この2つの関係性とはどのようなものなのでしょうか?

私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、数多くの矯正治療を行っています。答えをズバリ述べるならば「歯列矯正とほうれい線の間に直接的な関係はない」といえます。ただし、症例によっては例外的に歯の矯正が顔立ちに影響することはあり得るでしょう。今回は矯正治療にともなう顔のシワについて考えてみましょう。

歯列矯正とほうれい線の関係性とは?

「ほうれい線」とは、鼻と頬の境目にできるシワのことを指します。「歯並びは綺麗になったけど、鼻から顎にかけてのシワが深くなった気がする」といった感想を持つ方が存在しているのは何故なのでしょうか?

結論から述べますと、歯並びを良くすることが顔の一部分のシワに直接的に影響するということは言えません。この2つの事象を直接的につなぎ合わせることはできません。しかし、そこには例外も存在します。

歯列矯正がどのように関係しているのか考える為に、まずはほうれい線ができる原因を挙げてみましょう。

肌の弾力が失われてできる

肌の弾力を保つ成分であるエラスチンやコラーゲンが減少すると、ハリが失われることによってほうれい線ができるケースがあります。

これらの成分を多く含むことを宣伝するサプリが沢山存在することからも、皮膚の弾性を保つことがいかに美容にとって大切かということが分かるでしょう。

表情筋が衰えてできる

顔には様々な筋肉がありますが、目尻や眉間、口元など表情に関連する部分の筋肉を「表情筋」と言います。この筋肉の口元部分があまり使われていないと、その部位の筋肉が衰えてしまうことになるでしょう。

その結果、皮膚がたるんでしまって鼻の横から顎にかけてほうれい線がくっきりとしてしまうケースが考えられます。

頬周りの脂肪が落ちてできる

どちらかと言えば太り気味で、顔にも皮下脂肪が付いている人がダイエットを行なった結果、口元の脂肪が落ちることで、問題とされるほうれい線が発生する場合が考えられます。

このように皮下脂肪が失われることで、皮膚がたるんでしまうことがその原因として挙げられるでしょう。

歯列矯正でほうれい線が濃くなった・薄くなったと感じるのは?

重ねて強調しておきますが歯列矯正とほうれい線は、本来、無関係なものであることを覚えておきましょう。「矯正をしたら必ずほうれい線が深くなる」といったことは実際は起こり得ません。

しかし、そこにも例外があることは先に述べました。ある条件では矯正することとシワが深くなったり、薄くなったりということは起こりえるのです。どのようなケースでその問題が発生するのか考えてみましょう。

出っ歯の歯列矯正をおこなうケース

「出っ歯」とは上顎の前歯が前方へと傾いて生えていたり、上顎自体が突出している状態のことを指します。歯列矯正では、これを理想的な位置まで奥へと引っ込める施術が行われるでしょう。

出っ歯の治療でほうれい線が薄くなる

もともとの出っ歯が原因で治療前にほうれい線が濃くなっている人も存在します。そうした人は治療によって改善が見込めるでしょう。

出っ歯の症状によって口元全体が前へと出ていると、頬と同じ高さかそれ以上に口元が前方へと出ることになり、頬と口元の境目にあるほうれい線が強調されます。歯列矯正で口元を後ろへ下げることで、ほうれい線が目立たなくなることもあるのです。

また、出っ歯の人は口が開きがちな為に、無意識のうちに口呼吸になっています。歯列を後ろへと下げてあげることで口が閉じ、口呼吸が改善されるでしょう。
口呼吸の改善によって表情筋が鍛えられることになり、頬を引き締める効果によってほうれい線が薄くなることも考えられるのです。

出っ歯の治療でほうれい線が濃くなる

出っ歯の症状には、口元全体が前方へと出ていることがあります。

歯列が口元の皮膚を押し出していた状態が解消されることになり、皮膚にたるみができてしまいます。そうなると、ほうれい線が濃くなる可能性があるのです。

「長年気になっていた歯並びを綺麗にした結果、ほうれい線が濃くなって老け顔になった」ということにならないよう、施術前にクリニックと十分に相談する必要があるでしょう。

 


抜歯によってほうれい線が濃くなる

歯並びの乱れを治す為には、抜歯をする必要性がある患者さんも存在しています。その際に抜き取られる歯は、犬歯のすぐ後ろにある小臼歯と呼ばれる歯であることが一般的です。

抜歯をしなくてはならない状態というのは、歯の土台になっているU字型に対して、生えている歯が収まり切らず、お互いがひしめき合うようにガタガタに歯が生えているケースが当てはまります。

お互いにギュウギュウ詰めな為に、口中から頬の肉を外側へと押し出すように生えている歯も存在するでしょう。その状態の歯列に対し、抜歯によってスペースを生み出して適正な位置に戻す作業が行われます。

その結果、頬肉のハリが失われることになり、口周りの皮膚がたるんでほうれい線が深くなるケースが考えられるでしょう。

表情筋が鍛えられてシワが薄くなる

「ガタガタの歯並びを人に見せたくない」という思いから、人前で笑顔を作れない患者さんはとても多いと言えるでしょう。

思い切って笑うことができない状態は、表情筋の衰えにつながります。これを矯正によって治療すると、人の目を気にせず飛びっきりの笑顔を見せられるようになるのです。

そうなると人前で多様な表情を作ることができるようになり、自然と表情筋が鍛えられるでしょう。そのことによって顔の筋肉が引き締まり、ほうれい線が薄くなるケースが起こり得るのです。

気になるほうれい線の対策方法を紹介

ほうれい線ができる原因は、表情筋の衰えや、頬周りの脂肪が落ちたり皮膚がたるむことだと解説しました。歯列矯正が終了すれば、以前よりもしっかりと噛めるようになるので、それらの原因によるほうれい線は目立たなくなってくることが考えられます。

しかし、ほうれい線が気になりだしたら、歯列矯正への後悔が出てくるかもしれません。

この項では、ほうれい線を消す為に自身でできる取り組みについて紹介しましょう。

舌で頬を押し出す

口を閉じた状態で舌を使い、頬の内側をグルグルと回すように押し出す力をかける運動をしましょう。シワを伸ばす効果によって問題を解消できる可能性があります。

右回り・左回りともに20回程度を目安にグルグルと押し出すようにしましょう。

頬のエクササイズ

表情筋を鍛えるという意味で効果的なのは、大きく「ア・イ・ウ・エ・オ」といった口の形をすることです。これを繰り返し10回ほど続けると良いでしょう。

さらには、割り箸を横にしてその真ん中の部分を上下の歯で噛むエクササイズもあります。噛みながら口角を持ち上げる意識を持つと、表情筋が鍛えられます。

衰えた表情筋には効果が出やすいので、スキマ時間を利用してぜひやってみてください。

各部の表情筋をほぐす

目尻や眉間、鼻から顎にかけた部位など、それらの表情筋はそれぞれがバラバラのようでいてお互いにつながっています。

その為、表情筋全体をほぐすことを心がけると、気になっている部位のほうれい線が消えてくれるケースもあり得るでしょう。

まずはこめかみ周りの筋肉を指で回すようにマッサージしましょう。そして、歯を噛み締めた時に盛り上がる頬の筋肉も人差し指と中指、薬指の3本の指を用いて同じようにほぐします。

さらには小鼻の横を引き上げたり、中指と薬指で口角を引き上げるマッサージをします。最後に、手のひらを用いて回すように頬肉全体をマッサージしましょう。

 

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まとめ

以上、ほうれい線について解説し、歯列矯正によってそれが深くなったり薄くなったりする可能性について述べました。

また、口元にできてしまったシワを薄くするための方法についても紹介しました。歯並びを良くすると、表情筋に影響が出る場合があることを分かってもらえたかと思います。

また、歯列を理想的な位置である奥へと収めるケースの治療では、肌のハリが失われてほうれい線が濃くなる可能性あることもご理解いただけたことでしょう。

当院を訪ねてくる患者さんは「美しくなりたい」といった理由で治療を希望する女性の方が多く、そのような要望にしっかりとした施術で応えています。歯並びの乱れで悩んでいる方は、ぜひ一度相談にお越しください。

                                   

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