安い歯列矯正って実際どうなの?注意点と矯正治療をなるべく安く抑える方法について。

安い歯列矯正って実際どうなの?注意点と矯正治療をなるべく安く抑える方法について。

「歯列矯正を安く済ませたい」と悩んでいる方は非常に多いと思われます。

私は日本矯正歯科学会の認定医・指導医として、数多くの矯正治療を行っています。大学病院で19年間矯正歯科医として勤めてきました。咬み合わせの状態や使用する装置により費用が異なりますが、基本に忠実な治療を行う大学病院でさえ、自由診療の本格矯正治療の場合、初回来院時から終了まで、検査・診断料を含めて総額でおおよそ80万~100万円程のお支払いになることが多いです。標準的な矯正治療(技術や各種機器、装置、器具、材料)に対して、一般的に相応の費用がかかります。

歯列矯正というのは決して安いものではないので「私には支払えないから諦めよう」と考える人の割合が高いのです。

そのような消費者の心理につけ込んで「安さ」を売りにするクリニックが存在することもまた事実です。

「費用面から考えて、治療費が安いから、私はあのクリニックのお世話になることにするわ」という安さ重視の医院選択は、果たして正しいといえるのでしょうか。

今回はその点について考察し、クリニック選びで失敗しない為に覚えておきたいポイントをあげてみましょう。

安い歯列矯正の特徴とは?安さだけで選んでもいいのか

誰だって歯列矯正をなるべく安い治療費に抑えたいと考えているものです。しかし、歯並びの乱れを整える治療というものは、非常に高度な技術と高額な装置や器具や材料を必要とします。

その為、極端に安さを売りにしているクリニックでは、大切な部分が抜け落ちてしまっている可能性があるのです。医療費が高額になる理由について、もう少し考えてみましょう。

技術に対してお金を支払っている

冒頭でも述べたように、歯並びを整える為には専門の知識に精通し、専門の技術を習得する必要があります。歯医者さんのなかでも「矯正歯科」という専門の科が存在しているのはそのためです。

歯列を大きく動かす必要がある場合は、それだけ技術や知識、経験が必要になってきます。だから安さだけにとらわれず、カウンセリングや相談の場に臨む前に、自身の歯列に対する認識やゴールイメージを深めておく必要があるでしょう。

医師からの説明を受けて自身の症状を把握できても、話はそこで終わりません。「だからこういう治療をする」という治療計画に同意できるクリニックを選ぶことが大切です。

噛み合わせの治療まで考慮されていないケースも

歯列矯正の費用が安い場合、見た目だけを変えて噛み合わせのことを考慮していないケースを疑ってみましょう。機能性の回復が念頭にない治療では、不具合や痛みを感じたり、顎関節症を発症する可能性もあります。

もちろん、安い費用で歯列矯正をしている医院すべてが、噛み合わせを無視した治療をしている訳ではありません。しかし、患者さんの側も、安直に費用だけでクリニックを選ぶことは避けた方が良いでしょう。

【比較】歯列矯正で安いプランとは?

歯列矯正は自由診療なので、クリニックによって費用設定に多少の幅があります。また、ある一つのクリニックにおいても、さらに幅広い症例や患者の希望に対応できるよう、様々な治療法や価格プランを用意しているのです。

つまり、患者さんの条件に合った最適な治療法を提案してくれることになります。「安い費用で歯列矯正がしたい」と考える方には、プランの範囲内で極力その希望に沿った対応をしてくれるでしょう。

この項では歯列矯正を安価で済ませられるプランについて、治療法や用いる装置などの比較をしてみましょう。

全体矯正よりも部分矯正が安い

歯列全体に装置を取り付ける必要がなく、一部分を動かすだけで治療が完了するパターンがあります。これを「部分矯正」といって、装置代が安くなり通院も短期間になるので、治療費を下げることができる可能性があるでしょう。

部分矯正は費用が安く、治療期間も短いというメリットがあります。その反面、噛み合わせを改善させることができない点がデメリットとして挙げられるでしょう。そのため、噛み合わせに問題がない軽度の症例の歯列矯正に限り用いられる治療法となります。

全体矯正と部分矯正の目安の費用の比較は以下の通りです。

部分矯正(ワイヤー矯正)¥220,000~¥880,000
部分矯正(マウスピース矯正)¥462,000~¥770,000
全体矯正(表側からのワイヤー矯正)¥880,000~¥1100,000
全体矯正(マウスピース矯正)¥770,000~¥990,000

舌側矯正よりも唇側矯正が安い

ワイヤー型矯正は「ブラケット」と呼ばれるパーツを一本ずつの歯に装着し、そこにワイヤーを通して歯に力を加えます。そのブラケットを歯の表側(唇側)に着けるか、裏側(舌側)に着けるかで費用が変わります。

何故なら、歯の裏側は凹凸が大きい為、ブラケットを密着させるには高い技術が必要となり、その分だけ費用が掛かってしまうのです。

それに比べて、歯の表側は比較的平面になっているのでブラケットを装着しやすいでしょう。また、表側からのワイヤー矯正は、ワイヤー型矯正のなかでも最もオーソドックスな治療法なので、価格が抑えられるともいえます。

歯の裏側に装置を着けたいと考えている患者さんは、高い確率で「装置が目立つのはイヤ」というのが理由になります。しかし、費用を安くする為には、唇側からの矯正を選択する必要があると覚えておきましょう。

唇側からの矯正¥880,000~¥1100,000
舌側からの矯正¥1,320,000~¥1,650,000

セラミックより銀のブラケットが安い

最近では、ワイヤー矯正において「審美ブラケット」と呼ばれる目立ちにくい材質の部品を用いた装置も用意されています。しかし、目立ちにくいセラミック製と金属製のブラケットで比較すると、金属製の方が安いです。

支払い費用を安くする方法とは?

装置や治療方法以外にも、歯列矯正をするにあたって安い費用で抑えられる方法があります。適応症例は限られますが、押さえておくといいでしょう。

順を追って見ていきましょう。

保険が適用される可能性がある

歯の矯正治療は基本的に保険の利かない自由診療の扱いになっている為、すべての費用を自己負担しなくてはなりません。そのことが治療費のかさむ主な原因になっています。

しかし、「美容」を目的としたものではなく「病気を治す為のもの」と認められると、保険が適用されることになります。

・厚労省が定める症状に該当する場合

・永久歯の前歯3本以上の生え方に問題があり咬合異常となっている場合

・顎変形症の為、顎離断の手術をする必要があり、その際に行われる歯列矯正の場合

上記の3つが対象となります。

保険が適用されるとなると、自身が支払う必要がある金額は全治療費の30%で済みます。ただし、保険が適応されるケースは限られています。

医療費控除も見逃せない制度

1月1日から12月31日までの1年間で医療費に10万円以上かかった場合、10万円をオーバーした医療費に対して自身の税率を掛け合わせた金額が、還付金として還ってくる制度を「医療費控除」といいます。

ただし、これも美容目的ではなく、噛み合わせを良くする「治療」を受けたということを証明しなければなりません。医師からの診断書と、治療費などにかかった諸々の領収書を添えて確定申告の場で申請しましょう。

10万円を超えた金額に掛かってくるので、多額の医療費がかかるほど還付されるお金も大きくなります。治療で支払った費用の領収書や診断書や同意書は必ず保管しておくようにしましょう。

矯正歯科クリニックの支払い方法に注目する

医療費の支払いにはいくつかの方法があります。まず「全額一括払い」と呼ばれるものは、治療に入る前にすべての治療費を前払いする方式です。一度支払ってしまえば、お金を気にせず通えるメリットがあります。

その一方で、クリニックで施術を受けるたびにその治療費を支払うのが「処置別支払い」です。一度にまとまったお金を用意できなくても治療を受けられるのがメリットでしょう。

上記2種類はどちらも現金での支払いを想定したものですが、それに加えて「クレジットカードでの分割支払い」や「デンタルローン」、さらには「院内分割払い」といった方法もあります。

これらは現金を分割で後払いする方法なので「治療を受けるお金がない」と困っている人にピッタリだと言えます。ただし、クレジットカードでの分割支払いは一般的に金利がかなり高いために、総費用を安くすることができません。よって後払いでなるべく安くできるのは、「デンタルローン」と「院内分割払い」の二択となると思います。

デンタルローン

「デンタルローン」とは、歯の治療に特化したローン制度のことです。歯列矯正をするにあたって、このローンを取り扱う信販会社が治療費を立て替え、患者さんは信販会社にローンを返済していきます。

低金利であることに加えて月々の返済額を細かく分割できるため、現時点で多額の預貯金がないことに加えて、月ごとの返済能力があまり高くない人でも利用できます。ただし利用するには、信販会社の審査を通ることが前提となります。

院内分割払い

基本的に利息を支払う必要がないため、支払ったお金は金利に消えることなくすべて治療費にあてがわれます。

ただし、返済額を分割できる回数は医院によって異なりますが、おおよそ2〜24回までとなっています。デンタルローンの方がさらに返済回数を増やすことができ、返済額を細かく分割できることが多いですが、デンタルローンでは金利負担が発生する点は覚えておきましょう。

 

 

ユニゾン矯正歯科銀座6丁目なら「歯列矯正治療にかかる費用と支払方法の目安」について事前に確認が可能!

当院では、安心して治療を受けていただける環境で、美しさと機能性の調和した歯ならびを手に入れていただくために、
カウンセリング、プランの作成、治療の技術はもちろん、院内の環境、通いやすさ、適正な料金と支払いのしやすさ、
ひとつひとつ丹念に、患者さんのために考え抜いて開院し、これまで数多くの患者さんに通院いただいております。

基本に忠実に、正しく確実な矯正治療を実践するためには、相応の費用が必要となってくることは、ぜひご理解いただきたいと思います。

ご自身の歯並びの問題を、歯列矯正によって改善するためには、どのような治療法の選択肢があって、どれくらいの費用が掛かる見込みなのか、どのような支払い方法や回数が選択可能なのか、知ることから始めませんか。

ユニゾン矯正歯科では丁寧なカウンセリングを行ったうえで説明いたします。

患者さんと接する際には、本心で話してもらえるように常に意識しています。どこが気になっているのかという話から始まり、なぜ矯正をしようと思ったのか、なぜ当院に来ようと思ったのか、矯正をしてどうなりたいのか、毎月の通院はストレスにならないのか、費用はどれくらいを考えているのか、それはどうやって支払いたいかということまで、本音の部分を話していただき、患者さんに寄り添った治療を心がけています。少しでも不安に思っていることや疑問に思う事があれば心置きなく話していただきたいと思っています。


当院診療風景

当院診察室の1室

当院受付


まとめ

以上、歯列矯正は根本的に安いものではないことを説明した上で、少しでも費用を抑えるために確認したい点やクリニックの選び方について解説しました。

カウンセリングの場で親身に相談に乗ってくれるクリニックは、治療を進める上で不安に感じることが出てきた場合にも、丁寧に説明をしてくれるでしょう。

一方、安さをだけを重視して大事なことを置き去りにしているクリニックを選んでしまうと、「値段には納得できるけど対応が…」といった不満を後々抱えることにもつながりかねません。

そうならないためにも、信頼できるクリニックを選ぶようにしましょう。

治療をするにあたって医師は全力を尽くしますが、患者さんの協力も欠くことができない為、当院では患者さんとの信頼関係を何よりも重視しています。歯並びのことで悩みを抱えている方は、ぜひ一度ご相談にお越しください。

                                  

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