安い歯列矯正って実際どうなの?注意点と矯正を安く抑える手段を紹介!
「歯列矯正を安く済ませたい」と悩んでいる方は非常に多いと思われます。
歯列矯正というのは決して安いものではないので「私には支払えないから諦めよう」と考える人の割合が高いのです。
そのような消費者の心理につけ込んで「安さ」を売りにするクリニックが存在することもまた、事実であると認めなくてはなりません。
果たして「私は費用面から考えて、あのクリニックのお世話になることにするわ」といった行為は、正しいものといえるのでしょうか。
今回はその点について考察し、クリニック選びで失敗しない為に覚えておきたいポイントをあげてみましょう。
安い歯列矯正の特徴とは?安さだけで選んでもいいのか

誰だって歯列矯正をなるべく安い治療費に抑えたいと考えているものです。しかし、歯並びの乱れを整える治療というものは、非常に高度な技術を必要とします。
その為、極端に安さを売りにしているクリニックでは、大切な部分が抜け落ちてしまっている可能性があるのです。医療費が高額になる理由について、もう少し考えてみましょう。
技術に対してお金を支払っている
冒頭でも述べたように、歯並びを整える為には専門の知識に精通する必要があります。歯医者さんのなかでも「矯正歯科」という専門の科が存在しているのはその為です。
歯列を大きく動かす必要がある場合は、それだけ技術や知識、経験が必要になってきます。だから安さだけにとらわれず、カウンセリングや相談の場で自身の歯列に対する認識を深める必要があるでしょう。
医師からの説明を受けて自身の症状を把握できても、話はそこで終わりません。「だからこういう治療をする」という治療計画に同意できるクリニックを選ぶことが大切です。
噛み合わせの治療が出来ないケースも
歯列矯正の費用が安い場合、見た目だけを変えて噛み合わせのことを考慮していないケースを疑ってみましょう。機能性の回復が念頭にない治療では痛みを感じたり、顎関節症を発症する可能性もあります。
もちろん、安い費用で歯列矯正をしている医院すべてが、噛み合わせを無視した治療をしている訳ではありません。しかし患者さんの側も、安直に費用と見た目の変化だけでクリニックを選ぶことは避けた方が良いでしょう。
【比較】歯列矯正で安いプランとは?

歯列矯正は自由診療なので、クリニックによって費用が大きく異なってきます。そして、一つのクリニックにおいても幅広い客層に対応できるよう、様々なプランを用意しているのです。
つまり、患者さんの条件に合った最適な治療法を提案してくれます。「安い費用で歯列矯正がしたい」と考える方には、その希望に極力沿った対応をしてくれるでしょう。
この項では歯列矯正を安価で済ませられるプランについて、治療法や用いる装置などの比較をしてみましょう。
全体矯正よりも部分矯正が安い
歯列全体に装置を取り付ける必要がなく、一部分を動かすだけで治療が完了するパターンがあります。これを「部分矯正」といって、装置代が安くなり通院も短期間になるので、治療費をグンと下げることができるでしょう。
部分矯正は費用が安く、治療期間も短いというメリットがあります。その反面、噛み合わせを改善させることができない点がデメリットとして挙げられるでしょう。そのため、噛み合わせに問題がない軽度の歯列矯正に限り用いられる治療法となります。
全体矯正と部分矯正の費用の比較は以下の通りです。
部分矯正(ワイヤー矯正) | ¥220,000~¥858,000 |
部分矯正(マウスピース矯正) | ¥462,000~¥726,000 |
全体矯正(表側からのワイヤー矯正) | ¥858,000~¥990,000 |
全体矯正(マウスピース矯正) | ¥726,000~¥957,000 |
舌側矯正よりも唇側矯正が安い
ワイヤー型矯正は「ブラケット」と呼ばれるパーツを一本ずつの歯に装着し、そこにワイヤーを通して歯に力を加えます。そのブラケットを歯の表側(唇側)に着けるか、裏側(舌側)に着けるかで費用が変わります。
何故なら、歯の裏側は凹凸が大きい為、ブラケットを密着させるには高い技術が必要となり、その分だけ費用が掛かってしまうのです。
それに比べて、歯の表側は比較的平面になっているのでブラケットを装着しやすいでしょう。また、ワイヤー型矯正のなかでも最もオーソドックスな治療法なので、価格が抑えられるともいえます。
歯の裏側に装置を着けたいと考えている患者さんは、高い確率で「装置が目立つのはイヤ」というのが理由になります。しかし、費用を安くする為には、唇側からの矯正を選択する必要があると覚えておきましょう。
唇側からの矯正 | ¥858,000~¥990,000 |
舌側からの矯正 | ¥1,320,000~¥1,650,000 |
セラミックより銀のブラケットが安い
最近では、ワイヤー矯正において「審美ブラケット」と呼ばれる目立ちにくい材質の部品を用いた装置も用意されています。しかし、目立ちにくいセラミック製と金属製のブラケットで比較すると、金属製の方が安いです。
支払い費用を安くする方法とは?

装置や治療方法以外にも、歯列矯正をするにあたって安い費用で抑えられる方法があります。
順を追って見ていきましょう。
保険が適用される可能性がある
歯の矯正治療は基本的に保険の利かない自由診療の扱いになっている為、すべての費用を自己負担しなくてはなりません。そのことが治療費のかさむ主な原因になっています。
しかし、「美容」を目的としたものではなく「病気を治す為のもの」と認められると、保険が適用されることになります。
・厚労省が定める症状に該当する場合
・永久歯の前歯3本以上の生え方に問題があり咬合異常となっている場合
・顎変形症の為、顎離断の手術をする必要があり、その際に行われる歯列矯正の場合
上記の3つが対象となります。
保険が適用されるとなると、自身が支払う必要がある金額は全治療費の30%で済みます。かなりのレベルまで支払うお金を減らせるので、一度クリニックを訪れて自身の症状について尋ねてみましょう。
医療費控除も見逃せない制度
1月1日から12月31日までの1年間で医療費に10万円以上かかった場合、10万円をオーバーした医療費に対して自身の税率を掛け合わせた金額が、還付金として還ってくる制度を「医療費控除」といいます。
ただし、これも美容目的ではなく、噛み合わせを良くする「治療」を受けたということを証明しなければなりません。医師からの診断書と、治療費などにかかった諸々の領収書を添えて確定申告の場で申請しましょう。
10万円を超えた金額に掛かってくるので、多額の医療費がかかるほど還付されるお金も大きくなります。これも、カウンセリングの場で活用できるか確認すると良いでしょう。
矯正歯科クリニックの支払い方法に注目する
医療費の支払いにはいくつかの方法があります。まず「全額一括払い」と呼ばれるものは、治療に入る前にすべての治療費を前払いする方式です。一度支払ってしまえば、お金を気にせず通えるメリットがあります。
その一方で、クリニックで施術を受けるたびにその治療費を支払うのが「処置別支払い」です。一度にまとまったお金を用意できなくても治療を受けられるのがメリットでしょう。
上記2種類はどちらも現金での支払いを想定したものですが、それに加えて「カードでの支払い」や「デンタルローン」、さらには「院内分割払い」といった方法もあります。
これらは現金を後払いする方法なので「治療を受けるお金がない」と困っている人にピッタリだと言えます。そして、カードでの支払いは金利が高いために、費用を安くできません。よって後払いで安くできるのは二択となります。
デンタルローン
「デンタルローン」とは、歯の治療に特化したローン制度のことです。歯列矯正をするにあたって、このローンを取り扱う信販会社が治療費を立て替え、患者さんは信販会社にローンを返済していきます。
低金利であることに加えて月々の返済額を細かく分割できるため、現時点でお金がないことに加えて、月ごとの返済能力があまり高くない人でも利用できます。ただし利用するには、信販会社の審査を通ることが前提となるでしょう。
院内分割払い
クリニックが治療費を立て替えてくれるもので、基本的に利息を支払う必要がないため、支払ったお金は金利に消えることなくすべて治療費にあてがわれます。
ただし、返済額を分割できるのは医院によって異なりますが2〜24回までとなっています。この点を比べるとデンタルローンの方が返済額を細かく分割できる点は覚えておきましょう。
まとめ
以上、歯列矯正は根本的に安いものではないことを説明した上で、少しでも費用を下げるテクニックやクリニックの選び方について解説しました。
カウンセリングの場で親身に相談に乗ってくれるクリニックは、治療を進める上で不安に感じることが出てきた場合にも、丁寧に説明をしてくれるでしょう。
「値段には納得できるけど対応が…」といった不満を抱えない為にも、その点をしっかりと見極めることが大切です。
治療をするにあたって医師は全力を尽くしますが、患者さんの協力も欠くことができない為、当院では患者さんとの信頼関係を何よりも重視しています。歯並びのことで悩みを抱えている方は、ぜひ一度お越しください。
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