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コラム

部分矯正歯科治療は全顎矯正歯科治療よりも簡単で低価格?矯正歯科のエキスパートが両者を比較します

部分矯正歯科治療とは

一般的に矯正歯科治療は、全ての歯を動かして歯並び全体を改善する全顎矯正歯科治療を指します。

対して、部分矯正歯科治療とは、全ての歯ではなく歯並びの一部だけを部分的に歯を動かす場合のことを指します。

部分矯正歯科治療では、治療方針に合わせてワイヤー、マウスピース型矯正装置、歯科矯正用インプラントアンカーなどを使用します。歯列全体を矯正する必要がない場合においては、気になる部分の歯並びだけを改善できるので選択しやすい治療方法といえるでしょう。

例えば、「一度矯正歯科治療をしたけれども、下の前歯の歯並びが後戻りをして少しでこぼこになってきてしまった」という場合に、希望される方が多いです。

では、部分矯正歯科治療のメリット・デメリットの説明していきます。

部分矯正歯科治療のメリット・デメリット

部分矯正歯科治療のメリットは以下の通りです。

・費用が安くなりやすい

・期間が短くなりやすい

部分矯正歯科治療は歯列全体ではなく、一部分のみを治療すれば良いため、費用が安くなる傾向にあります。また、スムーズに治療が進めば、全顎的な矯正歯科治療と比べて治療期間が短期間となることがあります。

一方で、部分矯正歯科治療のデメリットは以下の通りです。

・かみ合わせの調整ができない

・必ずしも部分矯正歯科治療ができるとは限らない

部分矯正歯科治療は一部分のみを治療する矯正方法であるため、かみ合わせの調整は不可能です。また、全顎的な治療が必要であるにもかかわらず、部分矯正歯科治療で治療をした場合にはかみ合わせが悪くなり健康被害を生じる可能性もあります。

つまり、かみ合わせに問題がある場合は見た目を整えるだけになるので、根本的な解決に繋がりません。また、詳細は後述しますが、部分矯正歯科治療は治療できないケースも多々あります。

※部分矯正歯科治療のメリット・デメリットの詳細は『下の歯だけ矯正することは可能?部分矯正歯科治療の特徴やメリット・デメリットについて』で解説しています。合わせてご確認ください。

→ https://ginza-unison.com/blog/blog98.html

部分矯正歯科治療と全顎矯正歯科治療の比較

ここからは、以下の5項目で部分矯正歯科治療と全顎矯正歯科治療の比較をしていきます。

・期間

・費用

・抜歯の有無

・治療できないケース

・リスク

それぞれ詳細に見ていきましょう。

【期間】全顎矯正歯科治療よりも部分矯正歯科治療は短い期間で治療が終わる?

歯列全体を矯正しなければならない全顎矯正歯科治療よりも、一部の歯並びのみを改善する部分矯正歯科治療は短い期間で治療が終わる傾向にあります。全顎矯正歯科治療は約2年かかるのに対して、部分矯正歯科治療は数ヶ月程度で終わることもあり、その差は大きいです。

したがって、「期間」という観点では、部分矯正歯科治療は全顎矯正歯科治療よりも負担は減るでしょう。しかし、期間が短くなるのは、歯並びを変化させるのが一部に限られ、また治療前後での歯並びの変化の度合いが全顎矯正歯科治療と比べると格段に少ないからです。また、場合によっては部分矯正歯科治療でも全顎矯正歯科治療と同様の治療期間がかかることもあります。どのくらいの治療期間になるかは人それぞれ異なるので、歯科医師に相談してみましょう。

【費用】全顎矯正歯科治療よりも部分矯正歯科治療は費用が安い?

全顎矯正歯科治療よりも、部分矯正歯科治療は費用が安くなる傾向にあります。全顎矯正歯科治療は70~150万円かかるのに対して、部分矯正歯科治療は10~70万円が相場です。

ここで注意が必要なのが、部分矯正歯科治療の費用相場には幅があることです。どの部分を治療するのか、どの治療方法で治療をするのか、などによって費用は増減するため、一概に「部分矯正歯科治療の方が安い」とはいえません。通院する歯科医院によっても費用は変わるでしょう。

また、「やはりかみ合わせも整えたい、他のところの歯並びも改善したい」といったように、後から治療を追加する場合には、結果的に全顎矯正歯科治療よりも費用がかかることは珍しくありません。

したがって、「費用」という観点では、部分矯正歯科治療は全顎矯正歯科治療よりも安くなりやすいが、大きく負担が変わるわけではなく、むしろ高くなる場合もある、というのが正しいでしょう。

【抜歯の有無】全顎矯正歯科治療と違い部分矯正歯科治療は抜歯の必要がない?

部分矯正歯科治療だからといって、抜歯が不要であるとは限りません。むしろ、矯正対象の歯を動かす際に抜歯をした方がよいと歯科医師が判断した場合には、矯正相談の段階で提案される場合が多いです。

また、抜歯が不要でも、歯を動かすスペースをつくるために歯を削ることもあります。

したがって、「抜歯」という観点では、部分矯正歯科治療だから不要だという認識は持たない方がよいでしょう。

【治療できないケースの有無】全顎矯正歯科治療と違い部分矯正歯科治療は治療できないケースがない?

全顎矯正歯科治療ができないケースは、重度の歯周病である場合や歯槽骨がない場合などが挙げられます。一方、部分矯正歯科治療が治療できないケースはそれよりも多くあります。例えば、以下のケースは、部分矯正歯科治療が適応でないとされる症例です。

・歯並びがでこぼこだったり、八重歯だったりして全ての歯を並べるスペースが足りないケース

・出っ歯を引っ込めたいケース

・上と下の前歯がかみ合わない歯並びのケース

・正中が合わずに左右非対称であるケース

「数本だけを動かして簡単に矯正したい」としても、条件をクリアしなければ部分矯正歯科治療は選択することができません。

(※部分矯正歯科治療の治療できないケースについては『部分矯正歯科治療ができない例とは?判断基準について矯正歯科の認定医が解説!』で詳細に解説しています。合わせてご確認ください。) →  https://ginza-unison.com/blog/blog100.html

一方で、部分矯正歯科治療の治療ができるおすすめの状態は以下の通りです。

・かみ合わせに問題がない

・後戻り初期における軽微なでこぼこの歯並び

・僅かに歯と歯の間に隙間がある歯並び

部分矯正では嚙み合わせの調整ができないため、前提として嚙み合わせが良いことが求められます。

したがって、「治療ができないケース」という観点では、全顎矯正歯科治療にも部分矯正歯科治療にも適さない症例はありますが、部分矯正歯科治療の方が適さない症例が多くあります。自身では気になるところが治れば良いと思っていても、それが部分矯正歯科治療で治せる可能性は低いので、自分の歯並びの程度なら部分矯正歯科治療で済むだろうと思わない方が良いでしょう。

【リスク】全顎矯正歯科治療よりも部分矯正歯科治療はリスクが低い?

全顎矯正歯科治療よりも部分矯正歯科治療の方がリスクが低くなるというわけではありません。たしかに、全顎矯正歯科治療は歯列全体を改善していくので、入念な治療計画と技術が求められます。

一方で、部分矯正歯科治療でも、治療可否の判断が高度なことや、動かしたくない歯も動いてしまうことから、治療計画と高度な治療技術はとても重要です。実績が豊富な矯正専門歯科医への相談や、適切な施術が欠かせません。全顎矯正歯科治療が必要であるにもかかわらず、部分矯正歯科治療をしたことでかみ合わせが悪くなり、健康被害を生じる可能性もあります。

そういった面も考慮すると、部分矯正歯科治療は全顎矯正歯科治療と同様もしくはそれ以上のリスクがあると言っても過言ではありません。矯正歯科に関しての熟達した知識と経験がある歯科医師への相談をしましょう。

【結論】部分矯正歯科治療は全顎矯正歯科治療と同様に適切な歯科医師への

相談・治療が必要

部分矯正歯科治療であれば、安く、負担が軽く、楽に治療できるだろうという認識を持ったうえで、部分矯正歯科治療の相談をいただくケースは非常に多いです。はたして、その認識は事実なのでしょうか。ここまでの部分矯正歯科治療と全顎矯正歯科治療の比較をもとに、冒頭で挙げた「部分矯正歯科治療は比較的楽に治療できるのか?」についての結論を出します。

結論、部分矯正歯科治療だからといって、全顎矯正歯科治療よりも低価格で、リスクが低く、楽に治療をできるわけではありません。むしろ、全顎矯正歯科治療をする必要があるにもかかわらず、患者さんの気になるところだけ直そうとする部分矯正歯科治療の方が、中長期的には費用が高くなる可能性や、かみ合わせが悪化するなどのリスクが高くなる場合があるでしょう。

とはいえ、部分矯正歯科治療の方が適している場合も少なからず存在します。そのため、「とりあえず部分矯正歯科治療で」と先入観を持って歯科医院に相談するのではなく、「適するのであれば部分矯正歯科治療を希望するが、全顎矯正歯科治療の方が適している可能性が大いにある」ということを事前に理解したうえで、歯科医院に相談することをおすすめします。

そして、結果的に部分矯正歯科治療の対象であったのなら「負担が軽くて良かった」となれば御の字と考えるようにしましょう。

部分矯正歯科治療に関するお悩みをお持ちなら「ユニゾン矯正歯科 銀座6丁目」にご相談ください

東京都内で部分矯正歯科治療を検討しているが、不安を感じている方は、「ユニゾン矯正歯科 銀座6丁目」にお任せください。

当院ではかみ合わせまで治療可能な全顎矯正歯科治療を推奨しておりますが、部分矯正歯科治療が適すると判断した場合においても、専門知識と治療技術のある歯科医師が治療を担当いたします。ユニゾン矯正歯科 銀座6丁目には、適切な診断・施術をする歯科医師が複数在籍しているため、部分矯正歯科治療でも安心して治療を進めることができます。

まずは治療相談からお問い合わせくださいませ。皆様のご来院、心よりお待ちしております。